月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
“ジンクス破り”を予見していた人物は誰? タスティエーラ&レーン騎手が69年ぶりの「テン乗り」でダービー制覇!
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKeiji Ishikawa
posted2023/06/01 11:00
今年のダービーを制したタスティエーラとレーン騎手。テン乗りでのダービー制覇は1954年のゴールデンウエーブ以来となる
《この時もマスコミの方から「テン乗りで大丈夫ですか?」とよく聞かれました。私は気にしていなかったですし、外国人のレーン騎手がジンクスに縛られることもなかったでしょう。結果は4着でしたが、テン乗りだから負けたのではなく、敗因は展開など別のところにあったと思います》
あ、ここでレーン騎手に触れているということは、角居氏は今年はタスティエーラ(レーン騎乗)に注目しているということか?
第90回のダービーのキーワードは「無敗2冠」なのか「ジンクス破り」なのか? そのジンクスは「青葉賞馬は勝てない」なのか「ダービーではテン乗りは勝てない」なのか——。
すると結果は……
『タスティエーラ頂点 テン乗り69年ぶり レーンがジンクス破った』(スポーツニッポン)
『ダービー69年ぶりテン乗りV ソール2冠阻止 タスティ&レーン』(日刊スポーツ)
『タスティ レーン ダービーテン乗り 69年ぶりV』(スポーツ報知)
『タスティエーラ ダービー制覇 クビ差・・・ソール無敗2冠夢散』(サンケイスポーツ)
『レーン歴史の扉開けた!69年ぶりテン乗りV タスティ逆転頂点』(デイリースポーツ)
来たのは「ジンクス破り」で「テン乗り」のほうだった。見出しはお祭り騒ぎである。
その一方で悲しい出来事もあった。『2番人気スキルヴィング悲劇 ゴール入線後倒れ急性心不全で死す』(スポニチ)。
私にとっては青葉賞馬のジンクス破りに夢を見た、第90回のダービーだった。
名牝の歴史を塗り替える注目馬
ダービーの前週におこなわれたオークスも大きな話題となった。リバティアイランドが桜花賞に続きオークスを勝って2冠を達成。なんと6馬身差をつけて圧勝したのだ。
『桜花賞に続く衝撃再び 6馬身ぶっちぎり!!リバティ2冠』(日刊スポーツ)
『3冠へ世界へ試走6馬身差 リバティ2冠』(スポーツ報知)
『楽々と2冠リバティ 3冠どころかアーモンドアイになる』(東京スポーツ)
あの名牝アーモンドアイの名が早々に出て来た。今後どんなドラマを見せてくれるのか。