球体とリズムBACK NUMBER
「ミトマ? 来季も絶対ここ(ブライトン)にいる」智将デゼルビ43歳から“三笘薫への評価と気遣い”を直聞き「彼らは人間としても…」
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byRichard Heathcote/Getty Images
posted2023/05/24 17:12
ブライトンで躍動する三笘薫。デゼルビ監督からの信頼も絶大なようだ
「(オーナーの)トニー(・ブルーム)とは、何度も話しているよ。来季、4つのコンペティション(プレミアリーグ、FAカップ、リーグカップ、そしてヨーロッパリーグかカンファレンスリーグ)を戦っていく上で、GKを除き、常時、23人か24人の選手を揃えていたい。なぜなら、今季は特に終盤戦に、何人かの選手にかなり負担を強いてしまったからだ。モイゼス・カイセド、アレクシス・マカリスター、ペルビス・エストゥピニャン、それからカオル・ミトマ。彼らは大きなハートと耐久力を持っているので、チームの要求に応えてくれた。しかし、それは簡単ではない」
「とはいえ選手の意向を尊重したい」
彼が話した4選手のうち、最近は前者ふたりの移籍報道が過熱している。どちらにもそれぞれ7000万ポンド(約120億円)とも言われる移籍金を用意して、マンチェスター・ユナイテッドやリバプール、チェルシーらが引き抜こうとしていると。今季最後の定例会見でも、早い段階でそれに関する質問がデゼルビ監督へ投げかけられた。指揮官は次のように応じた。
「彼らにとって、明日がブライトンでの最後のホームゲームになるかどうかは、まだわからない。気持ちが移籍に傾いていたとしても、覆される可能性はあると思う。サウサンプトン戦の後に、彼らは次のレベルでプレーする資格があるので、移籍もやむなしと言った。ただし今、ブライトンのレベルも上がっているし、来季は共にヨーロッパで戦おうと話すこともできる。間違いなく、モチベーションは高まるはずだ。彼らは人間としても素晴らしいので、少なくとも話し合うことはできる。
とはいえ、最後は選手の意向を尊重したい。私は自分自身やクラブのために働いているが、選手のことも常に考えている。選手の人生もキャリアも、一度きりだ。監督といえど、そのための決断に口出しする権利はない。(オーナーの)トニーが何て言うかはわからないが、それが私の考えだ」
ペップ・グアルディオラやユルゲン・クロップらと同様に、ただの戦術家ではなく、人間としての魅力も醸すデゼルビは、自身の去就についても話した。サウサンプトン戦後には、どれくらいの長さになるかはわからないが、ブライトンに留まると言ったが、この日の会見では、少なくとも1シーズンは間違いない、クビを切られることがないかぎり、と言って報道陣の笑いを誘った。