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「もし彼がいなければ…」三笘薫25歳が本音で語った、ブライトンで信頼する“10歳上のベテラン選手”「(ケガ離脱中でも)頼りになる相談役」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byAFLO
posted2023/05/17 19:05
3-0で勝利したアーセナル戦。FWウンダブの2点目を祝福する三笘薫(25歳)
三笘は「間(あいだ)でボールを受けるのが上手いプレーヤーなので、自分が前を向いた時に走りやすいところはあります」と、自身との相性の良さを強調する。振り返れば、昨年11月のウォルバーハンプトン戦で生まれた三笘のクラブ初ゴールも、このララーナのクロスボールによってもたらされた。
ララーナは2月に怪我を抱えてからは黒子に徹し、ドレッシングルームで存在感を示している。例えば、1−5で大敗したそのエバートン戦。試合後、ピッチ上で大きな手振りを交えて不満を訴える19歳MFフリオ・エンシソに寄り添い、静かに耳を傾けていたのがララーナだった。
うん、うんと頷いて、若手の言葉を黙って聞く。そして、「お前の言いたいことはわかるよ」と言わんばかりにエンシソの頭を撫で、背中を押してドレッシングルームに向かうよう促していた。ララーナが若手の精神的支柱となっているのが垣間見えた。
そんなベテランの存在価値を、クラブ側も強く認識しているのだろう。ブライトンは今年3月にララーナとの契約を1年延長。来年夏まで残留することになった。こうした経緯を踏まえれば、ブライトンが「若手育成」を基本方針としながら、来季に向けてMFジェームズ・ミルナー(37=リバプール)の獲得に近づいているとの報道にも納得がいく。
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監督が巧みに選手のモチベーションを高め、ララーナのようなベテランも若手を精神面で牽引している。チームがひとつに団結することで、ブライトンは再び這い上がってきた。
次戦の相手は、現在3位と好調のニューカッスルだ。敵地で厳しい戦いが予想されるが、クラブ史上初となる欧州カップ戦出場に向け、この試合も負けられない一戦となる。
三笘は「エミレーツスタジアムより、もっとアウェイの雰囲気になると思う。より集中して試合に入らないといけないですし、その中でもビビらずに勇気をもってプレーしたい」と気を引き締めていた。
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