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「もし彼がいなければ…」三笘薫25歳が本音で語った、ブライトンで信頼する“10歳上のベテラン選手”「(ケガ離脱中でも)頼りになる相談役」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byAFLO
posted2023/05/17 19:05
3-0で勝利したアーセナル戦。FWウンダブの2点目を祝福する三笘薫(25歳)
関係者によると、試合後のチームミーティングでデゼルビ監督から強い言葉で叱咤激励があったという。気持ちで負けていないかと、檄を飛ばす場面もあったようだ。エバートン戦後のチームミーティングは、デゼルビ政権では最長だった。
流れを変えなければ──。監督がそう考えるのも当然だった。
ドイツ人FWのデニズ・ウンダブによれば、デゼルビ監督はNBAのレジェンド、マイケル・ジョーダンのビデオを選手たちに見せたという。「ジョーダンが試合に向けてどのようにモチベーションを高めているのか分かった」と、ウンダブは明かす。
タイトルにタイトルを重ねても、向上心の塊だったマイケル・ジョーダン。ブライトンはその強靭なメンタルに触発されて気持ちを高め、アーセナルから見事勝利を掴んだのである。
「ものすごく頼りになる存在です」ケガの35歳ベテラン
チームの躍進を支える存在として、ベテランのアダム・ララーナも忘れてならない。35歳の元イングランド代表MFは大腿部の怪我で今年2月から離脱中だが、ホーム、アウェイのすべての試合に帯同し、ブライトンを陰でサポートしているのだ。
三笘によれば、ララーナは監督と選手の間に入り、コーチのような役割を果たしているという。またピッチ外でも精神的支柱として選手たちのモチベーションを高めているようだ。若手と外国人選手の多いブライトンで、経験豊富なララーナが果たしている役割は大きいと、三笘は言う。
「チームにたくさんのモチベーションを与えてくれています。また、ピッチ内で起きていることに指示を出してくれる。モチベーションのところもそうですけど、(ララーナがいなければ)ピッチ内の問題の解決策がなかなか出てこない時もある。ものすごく頼りになる存在です」
ララーナはサウサンプトンの下部組織で育ち、同クラブでプレーした日本代表DF吉田麻也とも共闘した。当時、吉田はサウサンプトンで最も才能のある選手としてララーナの名を挙げ、「シュートも打てるし、パスも出せる。ドリブルも上手い。本当に何でもできる選手」と絶賛していた。
19歳MFに寄り添い…「お前の言いたいことはわかるよ」
しかし、14年に籍を移したリバプールでは度重なる怪我に苦しみ、思うようなプレーができなかった。そして3年前の20年に、ブライトンへ移籍。今シーズンも怪我を抱えるまでレギュラーとして稼働し、三笘と一緒に戦った。