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大谷翔平は「正真正銘のユニコーンだ」…盟友サンドバルも呆れた“非常識すぎる成績”「防御率が2点台で、本塁打が30本、本当に馬鹿げている」
text by
AKI猪瀬Aki Inose
photograph byNanae Suzuki
posted2023/05/07 17:02
大谷翔平と特に仲のいいチームメイトとして知られる左腕パトリック・サンドバル。WBC準決勝では直接対決も実現した
トラウト「翔平がすごいことをやっても、もう何も…」
8月27日、敵地でのブルージェイズ戦。中5日で先発のマウンドに上がった。この日は、オールスター選出投手アレク・マノアとの鮮やかな投手戦となった。リーグ屈指の強力打線を誇るブルージェイズ相手に7回無失点、9奪三振。打たれた安打は初回のスプリンガーと3回にゲレーロに打たれた二塁打のわずか2本だけだった。一方のマノアも7回1失点、8奪三振の好投を見せた。11勝目を記録した大谷は試合後、「マノアは素晴らしい投手なので、彼との投げ合いは、とても楽しかった」とコメントした。
翌28日、3番指名打者で出場した大谷は、7回に放った勝利を決定づける第28号2ラン本塁打を含む、4打数3安打2打点の活躍を見せた。大谷の投打にわたる活躍にスーパースターのトラウトは、「翔平がすごいことをやっても、もう何も驚かない」とジョークを飛ばせば、この日、エンゼルスの先発を務めた、シーズン途中加入のタッカー・デービッドソンは、「本当に信じられない。登板翌日は、足が痛くなったり、背中が張ったり、色々と大変なのに、大谷は登板翌日に打席に4回立ち、チームを救う本塁打を打ったりしている。それを続けている。本当に信じられない」と驚きを隠せなかった。
8月29日、本拠地でのヤンキース戦。エンゼルスの本拠地とは思えないほどに、スタンドにはヤンキースファンが押し寄せていた。MVPを争うジャッジと大谷。ジャッジが打席に入るとヤンキースファンから「MVP」の大合唱。大谷が入ればエンゼルスファンが「MVP」コールの大声援で応戦。最初にファンの大声援に応えたのは大谷だった。
2対2の同点でむかえた5回裏、2アウト、ランナー一塁の場面で大谷は、フランキー・モンタスが投じたスプリットを右手一本ですくい上げ、ジャッジの頭上を越えて行く第29号勝ち越し2ランを放った。ジャッジも8回表にセンター後方に推定飛距離132メートルの第50号ソロ本塁打を記録した。試合に敗れたジャッジは「大谷が本塁打を打ったときはムカついた。大谷に対してムカついたわけではなく、あの本塁打で逆転されてチームが負けたことにムカついた」と悔しがった。