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オリンピックへの道BACK NUMBER
高橋と村元は自然と目を合わせ…“かなだい”引退会見で見えた“2人の信頼関係”「これ以上の最高のパートナーはいない」「僕から哉中ちゃんに…」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2023/05/05 17:00
2人そろって引退会見をおこなった村元哉中(かな)と高橋大輔の通称“かなだい”ペア。2人の会見での様子から築き上げてきたものが感じ取られた
「ほんとうに一番はじめは、大ちゃんに声をかけていいのかというところから始まったんですけど。それこそ(高橋が)現役復帰して戻ってきたので、自分の中で声をかけた後でも、『大丈夫かな』『もう声をかけちゃったし』いうところもずっとあったんですけど」
シングルで輝かしいキャリアを重ねてきた高橋をアイスダンスに誘うことにためらいもあった。しかし、4年と3カ月がたち、胸を張ってこう口にする。
「今となっては、あの時、勇気出して声をかけてよかったなと思います」
引退を明かさずに語られた高橋の言葉
記憶に強く刻まれる数々の作品を披露してきた2人の競技生活は、“ピリオド”が打たれた。だが、その“ピリオド”の後には続きがある。
「僕自身は『かなだい』カップルとしてまだまだパフォーマンスをしていきたいと思います」(高橋)
「まだまだ大ちゃんといろいろな作品を創りたいと思っています」(村元)
「引退」という真意を明かさずに語った、世界選手権、国別対抗戦の2つの大会後の高橋の言葉は、だから真実でもある。
「まだ成長過程なんじゃないかと思っています」(世界選手権後)
「やればやるほどお互いのことも知っていきますし、考えずとも分かり合えたり、そういったものがどんどん増えていく。まだまだやっとそれが分かり始めたかな、っていうスタート地点なのかなと感じました」(世界国別対抗戦後)
終わったのは1つの章に過ぎない
村元が勇気をもってコンタクトをとった日から始まった2人の物語は完結を迎えた。
ただ、高橋は引退を告げると同時に「かなだいとしてやっていきたい」と提案し、村元は喜びとともにそれを受け止めた。
終わったのは1つの章に過ぎない。
この日、2人が告げたのは、ピリオドとともに始まる新章の「スタート」であった。
<「2度の引退と “右膝のケガ”」編とあわせてお読みください>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。