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「自分の管理不足」と反省する渋野日向子、今季初メジャーで収穫はあった? 米現地レポーターが褒める“全英女子を思い出す強気なパット”
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2023/04/26 17:00
今季初メジャーを日本勢最高位の28位タイで終えた渋野日向子。万全の体調ではなかったが、試合前に練習場で笑顔を見せていた
日本人最高位に入った渋野も満足した4日間を過ごせたわけではない。試合前のプロアマ戦をコンディション不良で棄権。練習ラウンドでも数本のクラブを持ってアプローチやパターで調整したのみ。試合には左の手首から親指にかけてテーピングをして臨んでいた。3日目の夜には首を寝違えるなど、体調管理に苦しみ、ティーショットにもバラつきがあった。
それでもキッチリ予選通過。片平は「良いゴルフができていたことは収穫だった」と評価する。
「たしかに渋野選手のティーショットは荒れていました。でも、フェアウェイが広いコースを、2打目やパットでうまくカバーできていたと思います」
追い風で冴え渡ったコントロール
なぜ2打目以降が大事だったのか。今季から会場となったコースを歩いた片平がその特徴とともに解説する。
「今年から試合会場がミッションヒルズCC(カリフォルニア州)からザ・クラブatカールストン・ウッズに変更となりました。フェアウェイが広く、ティーショットはそこまでプレッシャーがかかりません。その一方で、コースを攻略するために肝心だったのは“第2打”と“パット”でした。
グリーンは縦長や横長に狭く、アンジュレーション(起伏)は細かいし、バミューダ芝で目が強い。しかもメジャー仕様ということで、ピンポジションは厳しい位置にきってありました。毎日、天候や風の向きも違いましたし、“もうここしかない”というところにピンポイントで狙うしかない。2打目の精度が結果に結びついたと思います」
それで言うと、渋野は“追い風の時のウェッジショット”が冴えわたっていた。
「追い風の時は、ボールのスピンコントロールがうまくかからずに、狙った位置よりオーバーしちゃうことがあるんです。渋野選手は、先週も今週も、そういう状況のショットをうまくコントロールし、しっかりとチャンスにつけていました。以前はそういうショットを見かけなかったので、練習して習得したのはスゴいなと」