浦井　わりと最初っからあんな感じで倒れていましたね。コントとかだと派手に倒れるパターンの方が多いと思ったので、静かにスッと死んでみようかな、と。

――絶命する感じがよく表現されていましたよね。平井さんのポジションからは審査員席が目に入ったかと思うのですが、見る余裕はありましたか。

平井　いろいろな動きをするので、ガッツリ見る感じにはなりませんでした。ただ、（後ろから）今田（耕司）さんの笑い声が聞こえてきて。

浦井　すごい笑ってくれていました。

平井　あれには救われましたね。ネタが終わって、MCの横に行ったときも今田さんが「なに？　この漫才」って言ってくれて。それが、めっちゃうれしくて。

山田邦子さんの86点「これはもうあかん…」

――ところが得点発表では、1人目の山田邦子さんの点数がいきなり86点と低調でした。

平井　こっちに出たか、と。ダメだったか……となりましたね。

浦井　これはもうあかん、と。

平井　漫才のカウンターのようなネタではあるので、点数を下げる要素はあるんです。減点しようと思えばいくらでもできます。

――点数は前半は伸び悩みました。2人目の大吉さんは91点、3人目の塙さんは92点。ところが、ここから高得点が続きます。富澤さん95点、志らくさん94点、そして礼二さんと松本さんが続けて96点。最後の最後で、2人の表情がやっと緩みました。

浦井　あとの方の審査員の得点が出るたびに、えっ！　ええっ！　えええーっ！　ってなっていきましたね。

平井　減点ポイントが加点ポイントになりましたね。

＜続く＞

（写真＝山元茂樹）