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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「プロ野球選手兼、ユーチューバー」西武・平良海馬が斬新すぎるライブ配信で伝えたいこと 160km右腕の新婚生活は「ゲームは●時間がリミット」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2023/04/12 11:02
先発として快投を続ける平良
――アマチュア野球ではピッチャーは「低めに投げる」ことを教えられますよね?
平良 もちろん、自分も高校時代はずっと低めに投げろ、ということでやってきました。ただ、何故そうなっているのかというと、プロ選手がそういうことをしているからですよね。まずプロ野球が変わらないと高校野球も変わらないのは当然。常識と言われるようなことも本当に自分に合っているのか、って。もっとデータを見たり、分析することが必要だと思いますし、まずプロから変えたいなと思っています。
――高めで空振りが奪えるのは、直球に力があればこそ。平良投手はフィジカル面でも何か強みがあるのでしょうか?
平良 僕みたいな小さなピッチャー(身長173cm)が戦おうと思ったら、やっぱりフィジカルを強くしないといけない。特にウエイトトレーニングで筋肉量を増やしていけば、球速にも直結するんじゃないかなと思ってやってきました。自分でいうのもなんですけど、データで見ると体幹の強さや捻転性、エネルギーの大きさもある。あとは、肩関節の外旋もしっかり出る方ですし、それを内旋して素早く送るという力もウエイトで手に入れたものです。強さと柔らかさについては、ある程度自信があります。
プロ野球選手兼、YouTube配信者?
剛腕にして細密な分析家の平良だが、一度マウンドを離れるとまた別の顔を見せる。昨夏から始めたYouTubeチャンネル「たいらげーむTairaGame」は登録者数が8万人超え。趣味であるゲーム実況に加え、ライブ配信で視聴者からの質問にリアルタイムで応じるなど、ざっくばらんにトークを展開している。
――そもそも動画配信をやってみようと思ったのは?
平良 現役選手でYouTubeをやっている人ってあまりいないじゃないですか。パッと思いつくのは3人ぐらいですが、その中で、野球のことを語ったら結構面白いんじゃないかなと思ったんです。
――きっかけとしてはゲームが最初ではなかったのですね。
平良 ただ一人で何か喋るというのは結構きついので、自分の得意なゲームをしながら来た質問に答えるという形であれば、なんとかなるかな、と思って……。野球の話を中心にしたいですし、プロ野球選手はこんなことを考えていて、こんなことに取り組んでいるというのをアマチュアの選手を含めて色々な人に伝えたいという思いがあります。
――トレーニングやピッチング術といった技術的なことから、プロ野球選手の給料事情や契約更改、自身の考え方まで、あらゆる質問にフランクに応じていますよね。
平良 そうですね。それこそ先程話した高めのボールをどう使うか、という話とか、プロの現場では今こういうことが起きているんだということが伝わればいいな、と。中学や高校で部活をやっている子たちも、厳しい練習をしてただただ辛い、という環境は勿体無いと思っています。もっと野球が好き、楽しいという思いでやってもいい。そういう子たちの質問にも直接答えられることもなかなかないので、面白そうだなと思ってやっています。