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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「もちろん意図的です」西武・平良海馬があえてセオリーの“逆”を突く理由…異例の直談判で叶った先発転向への思いも明かした
posted2023/04/12 11:01
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Haruka Sato
先発投手としてまず「1勝」を手にした。4月11日のロッテ戦。立ち上がりは制球に苦しみ先制点を許したが、粘り強く立て直して2回以降は無安打に抑えた。6回1安打2失点。持ち前の剛球のみならず、丁寧にコーナーを突きピッチングを組み立てる柔軟な姿に、投手としての進化を示した。最優秀中継ぎのタイトルを獲得した昨年オフの契約更改で、先発への転向を球団に直訴した。リリーフ陣に不可欠な存在だったがゆえにフロント側も苦渋の決断だったが、その熱意が認められた形で挑戦が叶った。
――そもそも先発への思いはいつ頃から抱いていたのでしょう?
平良 初めてその思いを伝えたのは(プロ2年目の)2019年のオフです。将来の野球人生を考えたときに、理想としては先発で生きていきたいという考えはずっと持っていました。ただチーム状況などでそれが簡単にはできない状況であることはわかっていましたから、ある程度時間をかけて、その思いをあらためて昨年(の契約更改で)伝えた、という感じです。
――先発ピッチャーの一番の醍醐味とは?
平良 中継ぎより試合を左右できるところがありますし、勝ちに大きく貢献できるポジションだと思います。
――よくある究極の例えですが、1試合を「27球で抑える」のと、「27個三振をとる」のはどちらが理想?
平良 うーん……難しいですけど、27個三振をとれたら一番いいですよね。というのは、打球が前に飛ばなければ絶対に何も起こらないじゃないですか。何も起きないということは失点することがない。どちらかが可能だとすれば、27個のアウトを全部三振で取れれば最強でしょう。でもそんなこと、現実にはないと思うけど(笑)。
――具体的に理想とする先発ピッチャーはいますか?
平良 プロ野球で大きな目標と言えば、やっぱり山本由伸さん(オリックス)。全ての面で最高のピッチャーだと思いますし、色々なタイトルを獲っている。負けないようになんとか頑張りたいと思います。メジャーリーグでは菊池雄星さん(ブルージェイズ)。オフにずっと一緒にトレーニングをさせてもらって、ピッチングも参考にしていますし、考え方や取り組み方など本当に大事なことを教えてもらいました。目標、理想を高く持ってやっていきたいです。