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「ヌートバーの初球打ち、“大谷翔平の第1球前”がスゴかった」映像で伝わりきらない“WBC名場面のナマ空気”「佐々木朗希はチェコの…」

posted2023/04/02 11:01

 
「ヌートバーの初球打ち、“大谷翔平の第1球前”がスゴかった」映像で伝わりきらない“WBC名場面のナマ空気”「佐々木朗希はチェコの…」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

中国戦で初球ヒットを放ったヌートバー。彼の活躍が侍ジャパンとファンの起爆剤となった

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Nanae Suzuki

 侍ジャパンが3回目の優勝を成し遂げたWBC。過去4大会の東京ラウンドを観戦したメモラビリアコレクターが、今回はマイアミで開催された決勝ラウンドも含めた全7試合を観戦した。その体験記・チケット入手方法などをNumberWebでお届けする(全4回の2回目/#3#4も)

 ファン視点で今回のWBCを振り返っていく第2回は、東京ドームで開催された1次ラウンド各試合で、いち別格の熱気を感じたシーンを紹介していきたい。あくまでも筆者の感覚なので、実際の声援量とは異なるかもしれないが――ご理解いただければ幸いです。

火付け役ヌートバーと、大谷初球前の静寂

◇中国戦:1回裏ヌートバー、センター前ヒットの瞬間◇

 まずは、大会前にあった“選出に疑問”という意見を払拭する、ヌートバーのあのシーンだ。侍ジャパン最初の攻撃、さらに3年ぶりの声出しでの応援歌が大音量が響く中で、いきなりの初球ヒット! 地鳴りのような音が東京ドームを包んだ。3年間、声援を送ることを我慢し続けた野球ファンが解放されたかのような熱量、さらにヌートバーと言えばおなじみとなったペッパーミルのパフォーマンスも登場した瞬間に、この日一番の熱量を感じた。

 次点として挙げたいのは、勝利投手となった大谷翔平のヒーローインタビューでの「(歓声が)まだまだ足りない」と答えたシーン。大谷のヒーローインタビューだけでも十分盛り上がったのだが――〈大谷らしさ〉があふれた返しで球場全体がさらに沸いた場面が心に残った。

 また、中国戦ではヌートバーと観客が作り出した「熱気」に加えて、その直前の「静寂」も印象に残っている。それは1回表、大谷がWBC開幕の初球を投げる直前のことである。それまでザワザワしていた球場が一瞬にしてシーンと静まり、全ての視線が大谷に集まる。雑音が一切排除され、メジャーリーグ観戦など今まで経験してきた雰囲気とも違う、張り詰めた空気感だった。

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◇韓国戦:ヌートバー・近藤・吉田のタイムリーで一気に逆転の瞬間◇

 これまでの大会を振り返ると――必ずもつれてきた日韓戦ということもあり、試合前から張り詰めた空気だった。やはり圧巻だったのは3点を先制された直後の3回裏にヌートバー、近藤健介の連続タイムリーで1点差とし、そして吉田正尚のタイムリーも飛び出して一気に逆転、となった瞬間だった。

 日韓戦全体を振り返ると、国歌斉唱から試合中を通じて東京ラウンドで最も大きな熱量と音量で、腹を突き上げられるような感覚を覚えた。連れていった甥も〈外野からの応援が一番心に残っている〉とのことだった。

【次ページ】 “朗希の164キロ”と死球後のチェコ選手の振る舞い

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