もちろん選手の性格や能力、さらには家庭の事情や方針なども鑑みてプロ入りや社会人野球を勧める場合もある。

　昨秋のドラフトで広島に4位指名された清水叶人捕手に対しては「いい子なんですけど、生意気に捉えられる性格なのでプロ向きなんです」と笑うように、プロ志望届の提出を後押しした。

　入学してからの2年半は、常勝集団を作り上げるだけのために費やすものではなく、選手それぞれの適性を見抜くための大事な時間でもあるのだろう。

桐生第一、前橋育英に続く群馬県勢3校目の日本一を目指す健大高崎　©︎Yu Takagi

　ハードとソフト両面の充実により着実に強化を進めてきた健大高崎。選手の将来についての思いを明かしてくれた青柳監督にも「やはり、高校野球をしている以上は日本一が目標です」と野望はある。選手たちもまた同じ思いで日々白球を追いかけている。

　健大高崎に大きな結果をもたらされるのも、そう遠くはない未来かもしれない。