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大谷もダルも朗希も由伸も…侍ジャパンなぜ“高卒”が多い?「甲子園を重要視しない指導」が増える今後はどうなる〈米代表は大卒が6割〉
posted2023/03/15 11:01
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph by
L/Hideki Sugiyama R/Sankei Shimbun
WBC1次ラウンドで4戦全勝をあげた侍ジャパンは順調に準々決勝へ駒を進めた。ダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)など現役メジャーリーガーが参加していることもあって、歴代最強チームとの呼び声も高く、3大会ぶりのWBC制覇が期待されている。
そんな侍ジャパンの選手たちの経歴を見ると、ある傾向に気が付いた。
アメリカ出身のヌートバーを除く29人のうち、高卒でプロ入りした経歴をもつ選手が16人と最多。そのほか大卒8人、社会人出身4人、独立リーグ出身1人……つまり、高卒プロの選手が半数以上を占めていることがわかった。1次ラウンドの4試合で先発を託された大谷、ダルビッシュ、佐々木朗希(ロッテ)、山本由伸(オリックス)の4人全員も高卒の選手だった。
ドラフトの順位で見れば、1位で指名された14人のうち9人が高卒(ダルビッシュは高校生ドラフト1位)。前述した先発4人のうち山本を除く3人が1位指名を受けてプロ入りしていることを見ても、“高卒”と“ドラフト1位”という共通点を持つ選手が侍ジャパンにおいて大きな勢力となっていることがわかる。
過去の侍ジャパンも高卒が最多
ちなみに、この傾向は今大会だけに限ったことではない。近年行われた主要な国際大会に出場した選手を見ても、近しい傾向が見られているのだ。
●2017年WBC
高卒13人・大卒9人・社会人出身6人
●2019年プレミア12
高卒12人・大卒12人・社会人出身4人
●2021年東京五輪
高卒12人・大卒10人・社会人出身2人
19年のプレミア12、21年の東京五輪ではメジャーリーガーが参加していないことも影響して、WBCに比べると高卒の割合は少ない。それでも高卒の選手が最多だった。