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牧秀悟(24歳)ってどんな人? 大谷翔平とすっかり仲良し、プロ2年で“年俸1億超え”…DeNA先輩・後輩が証言「牧の周りには必ず人が集まる」
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byNanae Suzuki
posted2023/03/13 17:01
牧秀悟の素顔とは? DeNAのチームメイトたちに協力してもらい、牧の人物像をあぶり出してみた
「牧の周りには必ず人が集まるんです。先輩とか後輩が常に周りにいて、独りになってるのを見たことがない。ああやって人を惹きつける、人を引っ張っていける能力というのは、もともと持って生まれたものなのかなって感じますね」
ムードメーカーであり、天性のリーダー。そうして時間をかけずしてチームからの信頼を得たからこそ、若くして4番に抜擢されたのだ。
侍ジャパンの様子を伝える動画や画像などを見ても、ベイスターズにいるときと同様に、明るい笑顔でチームに溶け込んでいる牧の姿が確認できる。中国戦でも、後ろのベンチに座っていた大谷が、青々と刈り上げられた牧の後頭部をなでるところがTVカメラに捉えられていた。24歳の牧は、15名の野手のうち村上宗隆(23歳)に次いで下から2番目の年齢だが、持ち前の陽気さと抜群のコミュニケーション能力によってすんなりと馴染んだのだろう。
「過剰な浮き沈み」がないスゴさ
ただ、昨季は笑顔が曇る時間もあった。ヤクルトとの優勝争いを繰り広げていたシーズン後半、チャンスで凡退する打席が増えたのだ。責任感が強いゆえに、敗戦後には唇を長く噛みしめた。
楠本が思い返す。
「横浜スタジアムでの試合で負けたとき、牧が悔しそうにしていて、誰も近づけないような感じになったことがありました。その日の負けを自分で背負い込んでるというか……。牧のせいじゃないし、『牧がダメだったらしょうがない』ぐらいにみんな考えているんですけどね。それでも次の日になったら、カラッと明るい表情になってました。そういう、切り替える能力も持っている選手です」
牧自身、過去のインタビューで「1打席でくよくよしていたら成長はできない。自分が凡退しても切り替えることは小学校のころからずっとやってきた」と語っていたことがあった。
メンタルに過剰な浮き沈みをつくらないからこそ、打撃成績も安定する。牧の1つ年上、左腕投手の坂本裕哉が言う。