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「大谷翔平ってこんなにマッチョだった?」WBCでファンも驚いた“ムキムキ肉体改造”…本人に聞いた「年々、身体が強くなっている事実」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNanae Suzuki
posted2023/03/10 17:30
侍ジャパンの練習での大谷翔平。その肉体は、この数年間で驚くほどの進化を遂げた
大谷「マッチョではないです(笑)」
〈証言2〉
「マッチョではないです(笑)」
(Number1002号/2020年5月7日発売)
ユニフォームではなく練習着になると、逞しい二の腕や上半身が露わになる大谷だが……実は線で追ってみると、その肉体には“微調整”がなされている。
コロナ禍の2020年、Numberがリモートで行ったインタビューでは、「フィジカルへの思い」を鮮明に語っている。例年よりも長くなったオフの期間を利用して、増量→減量のサイクルを繰り返すメニューをじっくりとこなしていた。
このころから「マッチョだ」と騒がれていた大谷だが、本人としてみればまだ道半ばだった模様。野球選手として必要なフィジカル面について問われると、こう語っていた。
「筋力やボディバランスは最低限、整ってきたかなと思いますけど、野球選手としてはアジャストしながら、もうちょっと行けるかなと思ったら大きくしてもいいと思いますし、微調整は必要だと思います」
結局この2020年シーズンは60試合制とそもそもの試合数が少なく、出場46試合、7本塁打にとどまったが、この期間のトレーニングが翌年以降の大爆発の基礎になったのだろう。
どんどんムキムキに…大谷が最も大事にしていたのは?
〈証言3〉
「まあ、寝てるだけですけどね(笑)。それこそ、寝ていいと言われたら、いくらでも寝られますから」
(Number1035号/2021年9月9日発売)
日本人初の満票MVPに日本中が沸いた2021年シーズンの開幕前。キャンプを取材した記者は、すでに驚きの肉体変化を感じ取っていた。
「昨季より胸板は数倍厚みを増し、上腕はムキムキ。(中略)下半身も然り。腰回り、太もも、ふくらはぎ、いずれもが昨季より断然に大きく太い」(NumberWeb/2021年7月25日配信記事より)
オフのトレーニングで、過去にも増して強靭な肉体を手にした大谷。そんな彼が投打でシーズンを完走するために何より大切にしていたと語ったのが“睡眠”だった。
「ナイターデー(ナイトゲームの翌日がデーゲーム)なら6、7時間寝られればいいほうかなという感じですけど、ナイターナイターだったら、10時間から12時間くらいは寝ています」
現在メジャーリーグでは試合時間の短縮化が図られている。とはいえ、3時間ほどかかる試合を終えてから、10~12時間ほど睡眠をとっているという事実は……ベースボールにすべてを打ち込んでいるという証左でもあろう。打っては46本塁打を放ち、投げては9勝――。MVPを獲得するほどの躍動を支えていたのは、進化を止めないフィジカルと休息の絶妙なバランスだったようだ。