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「(大谷翔平は)僕にツンデレなんだよ…」徳永有美キャスターが本人に聞いた“栗山英樹監督と大谷の関係”「栗さんが涙ぐんでいた日」

posted2023/03/15 11:03

 
「(大谷翔平は)僕にツンデレなんだよ…」徳永有美キャスターが本人に聞いた“栗山英樹監督と大谷の関係”「栗さんが涙ぐんでいた日」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

フリーキャスター徳永有美さん。23年前、テレビ朝日のスポーツ番組で栗山英樹さんとコンビを組んだ。“侍ジャパン監督の素顔”を明かす

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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Yuki Suenaga

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で1次リーグ突破を決めた野球日本代表「侍ジャパン」。栗山英樹監督の素顔について、フリーキャスターの徳永有美さんに聞くインタビュー後編のテーマは「監督像」。かつてテレビ朝日のスポーツ番組でコンビを組んだ旧知の仲だからこそ感じてきた指揮官の哲学、苦悩、喜びとは――。【全2回の2回目/#1へ】

◆◆◆

いきなり日本ハム監督に「ご飯を食べる気にもならない」

 栗山監督は2012年に日本ハムの指揮官に就任。コーチなどプロでの指導経験はなく、いきなりの抜擢だったが、就任1年目で新人監督として17人目となるリーグ優勝を果たすなど結果を残した。

「キャスター時代にずっと栗さんから聞いてきた言葉や、経験、思い、理想を一つ一つ実際に形に表していく姿を見るのは私も嬉しかったし、なんて凄い方なのだろうと感動していました。ただ、本当に人に対して心を配る方なので、毎日大変なのだろうなと思っていました。当時は『毎日考えることが沢山あってなかなか眠れない』とか、『ご飯を食べる気にもならないんだよ』というようなこともおっしゃっていましたから。旧知の仲間と一緒にご飯を食べに行っても、ものすごく真面目な話ばかり。野球の話や、人間論、育成論を熱を持って語られていました」

 キャスター時代から指揮官となっても一貫して口にしていた言葉で、徳永さんが最も印象に残っているのは「信じる」という哲学だという。

「選手に対して『信じている』という言葉をよくおっしゃっていますが、それは打つ打たないとか、結果を出す、成績が上がることを予期している、という意味の“信じる”ではないんです。栗さんが思っているのはおそらく、たとえ何があろうとも君という人間を丸ごと受け入れるよ、という意味の“信じる”なんです」

「それが俺と佑樹の時間だったんだと思う」

 特にその真意を強く感じたのが、2011年にドラフト1位で入団し、栗山監督の退任と同じ2021年限りで現役を引退した斎藤佑樹投手に対する向き合い方だ。ルーキーイヤーにプロ初登板、初勝利を挙げ、2年目には開幕投手も務めたが、その後は故障やスランプとも戦った。抜群の知名度や周囲の期待と現状とのギャップにも苦しんだ野球人生を、終始温かい眼差しで見守っていたのが栗山監督だった。

【次ページ】 「それが俺と佑樹の時間だったんだと思う」

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