- #1
- #2
侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
「(栗山英樹さんは)朝4時までずっと野球の話をしていました」徳永有美キャスターが明かす“侍ジャパン監督の素顔”…第一印象は「困ったなぁ」
posted2023/03/15 11:02
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
JIJI PRESS/Yuki Suenaga
かつてテレビ朝日のスポーツ番組でコンビを組んだフリーキャスター徳永有美さんのインタビュー。栗山監督の熱き素顔を振り返る。【全2回の1回目/#2へ】
◆◆◆
第一印象は「うわぁ…困ったな…」
栗山監督との出会いは、2000年にスタートしたスポーツニュース番組「速報!スポーツCUBE」。メインキャスターとしてコンビを組んだ。当時の徳永さんはテレビ朝日に入社して3年目の24歳。その第一印象は強烈だったという。
「正直、うわぁ……困ったな……という感じでした(笑)。紳士的でとても優しい方なのですが、とにかく熱い。野球のことになると、未来永劫しゃべっていられるんじゃないかと思うくらい、止まらないんです。この熱量にずっと向き合い、ご一緒するとなると、相当な覚悟がいるな、と本当に驚きました」
ヤクルトで現役を引退した栗山監督は1991年にスポーツキャスターに転身。同番組が始まった当時はキャスター業も10年目に突入し、司会進行は板についていた。しかし、いかんせん野球のことを話し出すとスイッチが入ってしまう。実際に生放送の進行中、コメントが打合せ通りには行かないことも多かった。
「例えばVTR明けは、事前に『じゃあ栗さん、私からこういう風に話を振りますね』、『分かったよ、徳ちゃん!』って打合せしているんです。でも実際にVTRを見ているうちに思いの丈が更にふくらむのか、熱いトークが止まらなくなり……」
3年目の徳永アナにトークの洪水を堰き止める術はない。それでも、生放送の番組で予定通り進行するのはアナウンサーの役目だ。冷や汗をかいたまま番組が終わる。
「朝3時、4時までずっと野球の話をしていました」
どうしたらいいのか。悩み抜いた末、徳永さんがまず実行に移したのが栗山監督への“徹底マーク”だった。番組の打合せ段階から常に一番近くに陣取り、ナイター中継も一緒に見た。野球を見ながらふと漏らした感想や、野球に詳しいスタッフとの会話に耳をそばだて、その考えを知ろうと努めた。