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大谷翔平はなぜ“選手たちから”愛される?「ベンチのノリノリな姿」でヌートバー&村上とも打ち解けた…仲間の証言「一緒にいると楽しい」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/09 17:03
3月7日のオリックス戦、ホームランを放った村上宗隆を誰よりも明るく祝福した大谷翔平
エンゼルスで“祝福”されまくった大谷
そんな大谷の“ベンチパフォーマンスのよき相棒”としてファンからも愛されたのが、長いヒゲとロングヘアーがトレードマークのマーシュだ。昨年5月に行われたダブルヘッダーの第1試合前には、大谷と2人で「ジャンケン」をして遊ぶなど、2人が和気あいあいとしている姿がカメラに抜かれていた。別の試合でも大谷がホームランを放つと、カウボーイハットをかぶせるのに加えて、親愛のハグもプレゼント。そのムードメーカーぶりは、エンゼルスのベンチをパッと明るくするものだった。
もちろん、マーシュはただふざけているのではなく、野球選手・大谷に対して最大限のリスペクトを持っている。
「彼の考え方を理解して、できるだけ多くのことを学びたいと思っているんだ。ある状況で、彼はどう考えているんだろう、とかね。彼の足跡をたどっていくようにね。毎日が、新しいことばかりのようだよ」
昨シーズン途中にトレードでエンゼルスを去ったマーシュだが、移籍先のフィリーズで奮闘。持ち前のハッスルプレーでナ・リーグ王者にまで駆け上がった。
大谷はここ数年、エンゼルスで目いっぱい祝福されてきた。その喜びを知っているからこそ、侍ジャパンのメンバーにも還元しようとしているのかもしれない。そのムードメーカーぶりは必ずや、日本の力になるはずである。
同い年チームメートが見た大谷「共有できるものがたくさん」
<名言3>
一緒にいると本当に楽しいし、共有できるものがたくさんある。
(デービッド・フレッチャー/Number1040号 2021年11月18日発売)
◇解説◇
野球少年のような表情で日々野球を楽しむ姿を見ていると忘れがちになるが……大谷は今季、メジャー6年目のシーズンを迎える。1シーズンだけでもこの舞台で活躍するのが難しいというのに、投打二刀流で一流の成績を残し続け、それとともにチームを盛り上げる役割を担う姿には頭が下がる。
フレッチャーは大谷と同い年、かつメジャーデビューもこれまた同じ2018年ということもあって、キャンプ地で一緒に夕食に出かけるなど仲良しの1人だ。試合前には大谷と仲睦まじそうに球場の様子を観察し、談笑する様子がたびたび見られる。そんなフレッチャーも、一緒にいることが建前ではなく「楽しい」と語るのだから、そのパーソナリティがひしひしと伝わってくる。それと同時にフレッチャーが触れたのは、大谷がエンジョイしながらも勝利を追求する姿だ。
「彼の競争力の高さは言うまでもない。チームの勝利を本当に求めているのがよくわかる。そして、誰よりもハードワーカーであるのも間違いない」
フレッチャーは今大会のWBCでイタリア代表の一員として選出されており、もしプールAを勝ち上がれば準々決勝で侍ジャパンと対戦する可能性がある。大谷とフレッチャーが東京ドームの地で再会した際には、真剣勝負とともにどのような会話をかわすのか、想像するだけでもワクワクする。