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侍ジャパンは実力段違いも油断厳禁…“韓国のイチロー”Jrと天敵34歳左腕、豪州のメジャー8勝腕など要注意人物は?〈WBC対戦国を知る〉 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2023/03/09 06:00

侍ジャパンは実力段違いも油断厳禁…“韓国のイチロー”Jrと天敵34歳左腕、豪州のメジャー8勝腕など要注意人物は?〈WBC対戦国を知る〉<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

侍ジャパンと1次ラウンドで対戦する各国の状況は?

韓国:日本でもプレーした“あの選手の息子”が覚醒

 ★3月10日19時 韓国対日本★
〈韓国〉
 ・WBSCランキング4位 予選免除 出場5回目
 ・過去大会成績 15勝7敗
 2006年:1次ラウンド(3勝0敗)、2次ラウンド(3勝0敗)、決勝ラウンド(1敗)4強
 2009年:1次ラウンド(3勝1敗)、2次ラウンド(2勝1敗)、決勝ラウンド(1勝1敗)準優勝
 2013年:1次ラウンド(2勝1敗)敗退
 2017年:1次ラウンド(1勝2敗)敗退
 ・対日本戦 4勝4敗
 2006年
 ●日本2-3韓国〇(1次ラウンド)
 ●日本1-2韓国〇(2次ラウンド)
 〇日本6-0韓国●(準決勝)
 2009年
 〇日本14-2韓国●(1次ラウンド)
 ●日本0-1韓国〇(1次ラウンド)
 ●日本1-4韓国〇(2次ラウンド)
 〇日本6-2韓国●(2次ラウンド)
 〇日本5-3韓国●(決勝

 宿敵韓国とは4勝4敗だが、直近2大会は韓国が1次ラウンドで敗退したため、対戦がない。ただ2015年プレミア12では日本とは1勝1敗(韓国優勝、日本3位)、2019年プレミア12では日本の2勝0敗(日本優勝、韓国準優勝)、2021年東京五輪では1勝0敗(日本優勝、韓国4位)。このところ日本は韓国にあまり負けていない。

 今回の先発には高永表(コ・ヨンピョ、31歳、KT:13勝8敗)、蘇ヒョン準(ソ・ヒョンジュン、21歳 、KT:13勝6敗)など2ケタ勝利を挙げた投手が8人もいる。しかしほとんどが防御率3点台で、KBOが打高投低であることを象徴している。

 本来であれば日本戦にぶつけたかったキウムの安佑鎭(アン・ウジン)23歳は、191cm90kgの大型右腕。15勝8敗、率2.11(1位)と抜群の成績だが、素行面を理由に選出されなかった。

 左腕の金廣鉉(キム・グァンヒョン、34歳、SSG:13勝3敗)は2008年の北京五輪、20歳で日本打線を圧倒した実績を持つ。ただ2009年のWBCでは打ち込まれている。あとは制球が良いサウスポーの具昌模(ク・チャンモ、26歳、NC:11勝5敗)か。日本打線は韓国の左腕投手に苦戦する傾向があり、この辺りが出てくるのではないか。大谷、村上宗隆、吉田正尚、ラーズ・ヌートバーらといった左打者が攻略できるか。

 救援ではNo.1クローザーの高佑錫(コ・ウソク、24歳、LG:4勝2敗42S)が控えている。3月6日、京セラドームで韓国対オリックスの強化試合を見たが、高佑錫が首、肩の不調を訴えて途中降板している。本番に向けて注視したいポイントとなる。

 打線は、昨年の本塁打王、朴炳鎬(パク・ビョンホ、36歳、KT)が中軸。彼をはじめ30代の選手が多い。韓国が期待するのは李政厚(イ・ジョンフ、24歳、キウム)だ。中日でもプレーした「韓国のイチロー」李鍾範(イ・ジョンボム)の子で名古屋生まれ。安打製造機タイプだったが、近年長打も増えた。筆者は2019年にソウルでこの選手を見たが、圧倒的な人気だった。彼らに加えて金河成(キム・ハソン、27歳、パドレス)、トミー・エドマン(27歳、カージナルス)という2人のメジャーリーガーが二遊間を守るとみられる。

 2009年は金泰均(キム・テギュン)、李大浩(イ・デホ)とのちにNPBでも活躍した強打者がいたが、今年は絶対的な中軸はいない。とはいえ日本戦となると目の色が変わる韓国だ。総力戦になるのは間違いない。2次ラウンドで再戦する可能性もあるし、アジア最大の強敵なのは変わらない。

【次ページ】 チェコ:欧州で何度も対戦している日本人に聞く

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