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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
侍ジャパンは実力段違いも油断厳禁…“韓国のイチロー”Jrと天敵34歳左腕、豪州のメジャー8勝腕など要注意人物は?〈WBC対戦国を知る〉
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/09 06:00
侍ジャパンと1次ラウンドで対戦する各国の状況は?
チェコ:欧州で何度も対戦している日本人に聞く
★3月11日19時 チェコ対日本★
〈チェコ共和国〉
・WBSCランキング15位 初出場
・WBC予選成績(A組)
●チェコ7-21スペイン〇
〇チェコ7-1フランス
〇チェコ8-4ドイツ
〇チェコ3-1スペイン
予選では初戦のスペイン戦で大敗したが、その後盛り返し、敗者復活戦でスペインに雪辱して初出場を決めた。チェコについてはオーストリア代表チーム監督で、何度も対戦している坂梨広幸氏に話を聞いた。
「チェコ代表のパベル・ハジム監督とはU21やU23などでも対戦しています 。基本、打のチームですが、エンドランやダブルスチールなど足を絡めた試合も多かった印象です。
投手では19歳のミハイル ・コバラ。WBCの予選では大事な場面で救援してシャットアウトするなど好投しました。球速も93マイル(150km/h)近くは出ますね。ダニエル・パディサックはアメリカの大学リーグ(NCAA)でプレーしていて、93マイルくらいの球速が出ます。それから左腕のヤン・ノバック。球速は90マイル(145km/h)に届かない程度ですがチェコのリーグでは先発、救援で活躍しています。予選最終戦で勝ち投手になったのがマーティン・シュナイダー(37歳)、本職は消防士で、ずっとチェコ代表としてやってきてサイドから変化球をうまく投げるタイプです。
打線は、捕手のマーティン・チェルベンカはオリオールズ、メッツのAAAでプレーしていました。あと一歩でMLBには届かなかったけれど、彼の長打力は侮れないですね。ヴォイテック・メンシクはアメリカの大学からエンゼルスとマイナー契約を結びましたが、チェコに戻ってきています。三塁手で守備が上手ですし、リードオフでしょうか。そのほかにはマーティン・ムジク、アメリカの大学にいるマレック・チュラップあたりも長打力があり、ちょっと間違うとスタンドに放り込まれます」
2月に入って、アスレチックスなどで活躍し、現在FAのエリック・ソガードの参加が発表された。内外野を守り、人気のあった選手だ。
「僕も気にしていたんですが、参加となれば確実に戦力になりますね」
率直に言って戦力的には大差があるが個々の選手のポテンシャルは高い。初対戦だが、一発勝負だけに侮れない相手だろう。
オーストラリア:顔ぶれは昨年の強化試合と重なる
★3月12日19時 オーストラリア対日本★
〈オーストラリア〉
・WBSCランキング10位 予選免除 出場5回目
・過去大会成績 2勝10敗
2006年:1次ラウンド(0勝3敗)敗退
2009年:1次ラウンド(1勝2敗)敗退
2013年:1次ラウンド(0勝3敗)敗退
2017年:予選ラウンド(3勝0敗)本選出場、1次ラウンド(1勝2敗)敗退
・対日本戦 0勝1敗
2017年
〇日本4-1オーストラリア●(1次ラウンド)
2017年は第2戦で当たったが、2回、先発の菅野智之がデ・サンミゲルの本塁打で先制され、冷や汗をかいたのが記憶に新しい。結局、勝ったがオーストラリアにはABLというプロリーグがあり、近年実力は上昇中だ。