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藤井聡太五冠「わからない所も」、羽生善治九段「対応を誤ると…」マンガな神展開の王将戦+コスプレがエモい〈観る将が描く名珍場面〉
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida/日本将棋連盟
posted2023/03/02 06:00
観る将マンガ家が描いた「2023年2月の将棋ハイライト」。過去のイラストは関連記事からご覧になれます!
それは「一般棋戦グランドスラム」です。すでに優勝したJT杯日本シリーズと銀河戦に続き、2月23日には朝日杯将棋オープンを制覇(準決勝、豊島将之九段戦の大逆転劇が凄かった!)。残す棋戦はNHK杯のみとなっています。
2月5日に放送された中川大輔八段戦では、ダンディーな中川八段が対局前の意気込みで“ジャブ”をかまして谷川浩司十七世名人も苦笑いしていましたが(笑)、藤井五冠がベテランを見事に打ち砕き、ベスト4進出。例年なぜか早期敗退が続いていた中で、いよいよNHK杯でも……となるか、注目したいと思います。
3)藤井五冠を解説する豊島九段の笑顔…各棋士も話題満載
藤井五冠と羽生九段に関連した各棋士それぞれの話題も(2月は28日しかないのに!)豊富な1カ月でした。まず大ニュースとして扱いたいのは、やはり小山怜央アマの快挙でしょう!
13日に行われた「プロ編入試験」5番勝負4局目。横山友紀四段との対局で勝利して通算3勝1敗とし、29歳にしてプロ棋士になる権利をつかみ取りました。現行制度での合格は今泉健司五段、折田翔吾五段に続き3人目、プロ棋士育成組織である「奨励会」を経なかった異例の経歴も話題となりました。さらに僕と同郷である岩手県出身としては初のプロ!! このストーリー性、熱く応援しないわけにはいかないです。
熱い戦いぶりで栄冠をつかんだという点では、西山朋佳女王・女流王将も同様です。1月から2月にかけて行われた女流名人戦で、伊藤沙恵女流名人に挑戦した西山さんは24日の第4局で勝利し、シリーズ3勝1敗として初の同タイトル獲得となりました。ご自身のTwitterで「歴史と伝統ある女流名人に名を連ねることができ、嬉しく思います」と投稿し、数多くの祝福リプも飛んでいるようです。女流三冠を獲得したことで里見香奈女流五冠とのライバル対決はさらなる白熱ぶりを見せるのでは……と新年度に想いを馳せます!
そして優勝で言えば定期的に扱ってきた「ABEMA師弟トーナメント」で木村一基九段&高野智史六段が、決勝で深浦康市九段&佐々木大地七段に3連勝で初優勝! 杉本昌隆八段&藤井竜王、谷川十七世名人&都成竜馬七段のチームなどを破ってきた実力を最後の最後まで見せつけました。師匠・木村九段の「飲みに行こうか!」と高野六段に声を掛ける様子は、まさに師弟の絆を見た気がします。
藤井五冠、羽生九段の対局でも面白い出来事が
最後は棋士同士の関係性、ハプニングについても。