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「ダルビッシュさんからすべて影響を」マエケンや菅野智之、メジャー監督もリスペクトするワケ「ユウは本物のプロフェッショナル」
posted2023/02/24 17:04
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Hideki Sugiyama
<名言1>
僕は野球のすべてにおいてダルビッシュさんの影響を受けています。
(前田健太/Number1014号 2020年11月5日発売)
◇解説◇
第5回WBCに臨む侍ジャパン、宮崎で行われている強化合宿でダルビッシュ有が話題の中心となっている。
そんなダルビッシュは近年、SNSや自身のYouTubeで野球に対する考え方、さらには変化球の投球練習などを惜しげもなく披露している。その姿勢を信奉しているのが、ドジャース時代にチームメートだったこともある“マエケン”こと前田だ。実はダルビッシュは、前田にYouTubeを通してエールを送ったことがある。
それは2020年2月4日、ドジャースからツインズへとトレードされた当日のこと。ダルビッシュは動画で「前田くんにとってメチャメチャいいトレード」と語り、先発と中継ぎの両方で起用されていたドジャースよりも、先発固定となるツインズの方がプラスになるはずと説明した。これについて「ダルビッシュさんの発言はうれしかったです。(中略)影響力のある方に後押しをしてもらって、このトレードが僕にプラスになると理解した人も多かったでしょう」と前田は感謝した。
「野球に取り組む意識がものすごく変わりました」
ダルビッシュの2歳年下である前田。「あまり自信がなかった」ツーシームについて、ダルビッシュがフォーシームとツーシームの投げ方を解説するYouTube動画を公開すると、それをすぐに実戦で生かしたという逸話を持つ。前田の器用さもあってこそだが……このようにダルビッシュの幅広い発信力について感謝する。
「新しい球種や投球技術はもちろんですが、ウエートトレーニングからプロテインやサプリメントの摂り方まで、全部です。(中略)いろんな話を聞かせて頂いて、僕自身、野球に取り組む意識がものすごく変わりました」
コロナ禍にあった2020年は短縮シーズンながら前田は6勝1敗、防御率2.70という好成績を挙げた。現在はトミー・ジョン手術からの復活過程にある前田が、ダルビッシュの助言を生かしたピッチングを今季どう見せていくか。
何よりも探求心が凄いなって思いますね
<名言2>
僕なんか比べものにならないくらいに、壮大なスケールで色々なことを考えていると思います。
(菅野智之/Number1014号 2020年11月5日発売)
◇解説◇
日本球界の投手たちも、ダルビッシュの投手理論を自らに取り入れようとしている。その代表格の1人が、長年巨人のエースを張り続けている菅野である。
ダルビッシュとは「浪人時代とプロ1年目」に同じトレーニング施設を使用して挨拶した程度の関係性ながら、そのピッチングに魅了され続けてきた。MLBでのダルビッシュの登板試合を見るだけでなく、YouTubeなどもチェックするという――前田と同じく“ダルビッシュ信者”と言ってもいいだろう。