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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「日本だといい情報ばかりだけど…」昨年現役引退・牧田和久38歳が明かす“米国&台湾生活”「チームメイトと打ち解けた“あの漫画のイラスト”」
posted2023/02/28 17:01
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Yuki Suenaga
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――2017年のWBCでの活躍で得た手応えと共に、2018年、ポスティングシステムでサンディエゴ・パドレスに移籍。4月にメジャー初ホールドを挙げるなど順調に滑り出したが、5月以降はメジャーとマイナーを行き来する日々が続いた。2年間で登板は27試合。パドレス傘下のマイナーリーグで若い選手たちと一緒に汗を流す当時の生活はどんなものだったのか。
牧田和久氏(以下、牧田) AAAは25歳から30歳くらいの、メジャーとマイナーを行き来する選手たちが中心。AAになると18歳から25歳くらいの若い選手ばかりでした。AAAならば、飛行機移動もありましたが、朝4時に空港に集合して到着後すぐに練習をして試合というようなハードなスケジュール。テキサスリーグのAAはバス移動で、長くて11時間くらいバスに揺られていましたね。週1度の休みも全て移動でつぶれてしまう。本当にハードな毎日でした。一度、AAAでラスベガスに行った時に移動休みがあって喜んだのも束の間、試合後監督に呼ばれて『今からAAに行ってくれ』と言われてガックリきたこともありましたね。
「日本にいるとアメリカの情報はいいことばかりだけど…」
――34歳になるシーズンでの挑戦。厳しい経験だったのでは?
牧田 日本にいると、アメリカの情報っていいことばかりですよね。大谷(翔平)、ダルビッシュ(有)、マエケン(前田健太)の活躍や、試合の勝敗、年俸など華やかなことだけ伝えられている。でも行ってみると環境や食事面のギャップなど色々な現実があることを知りました。例えば春のキャンプなら施設で練習はできるけれど、その間滞在する住居や移動、夕食なんかも自分でやらなければいけない。日本は全て球団がやってくれて選手は練習すればいいだけですからね。
給料もアメリカは4月から9月までの参稼報酬しか出ない。メジャー契約の選手はいいですけど、そうじゃなければトレーニングしながらアルバイトしている選手も多いんです。日本のプロ野球の環境は本当に恵まれていることを身をもって感じました。マイナーでの生活はきつかったですが、それも自分の選んだ道。いい経験になりました。