ただし村上、岡本、山川とポジションが被っている。村上は不動として、毎試合、岡本、山川のいずれかが控えに回ることになる。指揮官には悩ましいが、ぜいたくな悩みだと言えよう。

外野手：本職の「中堅手」がいないことがどうなるか

〈外野手〉
　2006年
　 和田一浩（西）33歳
　 多村仁（横）28歳
　 金城龍彦（横）29歳
　 福留孝介（中）28歳
　 青木宣親（ヤ）24歳
　 イチロー（SEA）32歳

　2009年
　 福留孝介（CHC）31歳
　 青木宣親（ヤ）27歳
　 内川聖一（横）26歳
　 亀井義行（巨）26歳
　 稲葉篤紀（日）36歳
　 イチロー（SEA）35歳 

2009年のイチローと青木　©Hideki Sugiyama

　2013年
　 糸井嘉男（オ）31歳
　 中田翔（日）23歳
　 内川聖一（SB）30歳
　 長野久義（巨）28歳
　 角中勝也（ロ）25歳

　2017年
　 内川聖一（SB）34歳
　 青木宣親（HOU）35歳
　 平田良介（中）28歳
　 筒香嘉智（De）25歳
　 鈴木誠也（広）22歳
　 秋山翔吾（西）28歳

　2023年
　 近藤健介（SB）29歳
　 鈴木誠也（CHC）28歳
　 ラーズ・ヌートバー（STL）25歳
　 吉田正尚（BOS）29歳
　 周東佑京（SB）27歳

　すでに指摘されている通り、今年の侍には本職の「中堅手」がいない。ヌートバーが回ると言われているが、彼は右翼が本職だ。NPBでは内野手登録の周東佑京が昨年、中堅で19試合先発出場、途中交代で5試合守っている。ただし足のスペシャリストである周東は、WBCでのスタメン出場は想定されていないだろうから「中堅手不在」であることに変わりはない。

　こうして並べてみて気が付いたが、ソフトバンクの柳田悠岐は、東京五輪には出場したものの、WBCには出場することなくキャリアを終えることになりそうだ。西武の中村剛也、巨人の丸佳浩などもWBC出場なし。めぐりあわせと言うものがあるのだろう。

　そして今年は、この打線に彼が加わるのだ。

〈投手〉
　 大谷翔平（LAA）28歳

2016年の大谷　©Naoya Sanuki

平均年齢と前年の本塁打数を見てみると

　今回の打線は5大会を通じて最高の布陣だと言えよう。5大会の選手の平均年齢と、前年成績での本塁打上位5人、その合計本数を出す。

〈2006年 17人 平均28.8歳 187本〉
　 松中信彦（SB）46本、新井貴浩（広）43本、小笠原道大（日）37本、多村仁（横）31本、岩村明憲（ヤ）30本

〈2009年 15人 平均29.5歳 147本〉
　 村田修一（横）46本、小笠原道大（巨）36本、阿部慎之助（巨）24本、栗原健太（広）23本、中島裕之（西）21本

〈2013年 15人 平均30.5歳 89本〉
　 阿部慎之助（巨）27本、中田翔（日）24本、坂本勇人（巨）14本、長野久義（巨）14本、稲葉篤紀（日）10本

〈2017年 15人 平均28.2歳 157本〉
　筒香嘉智（De）44本、山田哲人（ヤ）38本、松田宣浩（SB）27本、中田翔（日）25本、坂本勇人（巨）23本

〈2023年 16人 平均28.0歳 185本〉
　 村上宗隆（ヤ）56本、山川穂高（西）41本、大谷翔平（LAA）34本、岡本和真（巨）30本、牧秀悟（De）24本

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