京口も葛西と同じように、那須川の実力は日本や東洋太平洋王者レベルにあるのではないか、と見ている。それでも世界タイトルを獲得するとなると、「そう簡単ではない」との認識を示した。

「ボクシングで世界挑戦するのって難しいんです。日本で人気があるからといって、すぐにできるわけじゃない。世界ランキングに入らなくちゃいけないし、入っても世界挑戦を順番待ちしているランカーがぞろぞろといるんです。その時のチャンピオンが天心を選んでくれるか分からないので、運も必要になってきます。（8戦目で世界挑戦、戴冠した）僕は運が良かったけど、実力はあっても挑戦できなかったり、挑戦できたとしてもピークを過ぎていたり、というボクサーが昔からたくさんいます」

「THE MATCHは確かにすごかった。でも…」

　ボクシングはキックボクシングに比べると遥かにグローバルなスポーツだ。どちらが上、下という問題ではない。統括団体が世界タイトルマッチを管轄し、プロモーターは団体の承認を得て世界戦を開催する。そうした中で、世界各国のプロモーター、選手たちが自分たちの権利を主張し、交渉を成立させてタイトルマッチは実現する。選手の数も多い。このあたりの事情はキックボクシングと大きく違うところだろう。

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　しかし、そうしたグローバルな市場を持つ世界だからこそ、那須川は新たなチャレンジの場にボクシングを選んだのではないだろうか。京口はTHE MATCHで東京ドームに5万6000人を動員し、億単位のファイトマネーを稼ぎ出した那須川をリスペクトしつつ、次のように話した。

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