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38歳レブロン・ジェームズが“NBA歴代1位の大記録”に到達できた理由とは? NBA日本人トレーナーが語る「スーパースターの横顔」

posted2023/02/09 11:02

 
38歳レブロン・ジェームズが“NBA歴代1位の大記録”に到達できた理由とは? NBA日本人トレーナーが語る「スーパースターの横顔」<Number Web> photograph by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

歴代最多得点を更新したレブロン・ジェームズ(38歳)。家族や大観衆に囲まれた中で、偉業を成し遂げた

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

 レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)が2月7日(日本時間8日)のオクラホマシティ・サンダー戦で、カリーム・アブドゥル・ジャバーが34年近く保持していたレギュラーシーズン通算得点のリーグ記録を塗り替えた。ジャバー超えを決めたのは、得意のフェイドアウェイ・ショット。ボールがネットに吸い込まれたのを見届けると、両手を上にあげ、会場を埋めた観客からの大喝采を全身に浴びた。

「毎試合、シューズにセオドア・ルーズベルトのフレーズ、『マン・イン・ジ・アリーナ』の文字を書くのだけれど、今夜、あのショットが決まり、観客からの大歓声の中で、まるでアリーナの上に座っている気分だった」とレブロン。

 ジャバーがNBA通算得点でウィルト・チェンバレンを抜き歴代1位になったのは1984年のこと。そして、38,387という記録と共に引退したのは1989年、レブロンがまだ4歳のときだった。レブロンにとっては、自分が生まれる前からいつでも、NBAでもっとも多くの得点をあげたのはジャバーだったのだ。

 記録更新が迫ったある日、レブロンはNBAの通算得点記録を、子どもの頃に見た大リーグの本塁打記録と並べて、「スポーツ界で偉大な記録のひとつ」と語っていた。

「破られることを考えたこともない記録のひとつだった。(大リーグのシーズン本塁打争いで)サミー(・ソーサ)やマーク・マグワイアが数字を伸ばしていったとき、『本当にやってしまうかもしれない。記録が破られるかもしれない』と思い、注目して試合を見ていた。スポーツ好きとしては楽しい時だった。毎試合、彼らが打席に立ち、記録を追いかけているのを見るのが楽しかった。

 僕は子供の頃からすべてのスポーツの歴史が好きだったんだ。(NBA通算得点の記録も)数字としては3万8000点台だということぐらいしか知らなかったけれど、それでも、それがカリームの記録だということはずっと知っていた。(その記録に自分が迫っているというのは)とてもクールなことだ」

「自分の身体が一番の財産だと気づいた」

 ジャバーの記録が破られることがないと思われていたのは、彼がNBAで42歳という年齢まで、20シーズンの間、高いレベルでのプレーをしていたからだ。今でこそ選手の寿命は延びているが、それでも40代までスターターレベルのプレーを続ける選手は稀だ。

 レブロンは今季がジャバーと同じ20シーズン目。大学を卒業するまでNBA入りできなかったジャバーとは違い、高校卒業と同時にNBA入りしたので38歳という違いはあるが、20シーズン目になっても高いレベルでプレーしている点ではジャバーを上回るほどだ。

 それが可能になった理由について、何年か前にレブロンがこんなことを言っていたことを思い出す。

「僕はかなり早い時期から、自分の身体が一番の財産だと気づいたんだ」

 その「早い時期」がいつだったのかまでは、このときは触れなかったが、4年ほど前に出演したポッドキャストでは、こんなことも言っていた。

【次ページ】 「13歳のころ、友達のひとりが……」

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