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「もうプロレスを続ける資格が…」スターダム・上谷沙弥が苦悩の先に見つけた“答え”「飛べる今のうちに飛びたいんです」《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/02/02 17:00
白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)を13度防衛している上谷沙弥。防衛記録の更新をかけて、2月4日に大阪で渡辺桃と対戦する
そんな失敗談を笑って話せるくらいリング外の上谷はおおらかな性格で、等身大の26歳という印象だ。休日は美容院で自分磨きをしたり、好物の甘いものを求めて友人と街を散策したりしているという。
「こないだはサンリオのカフェで、ポムポムプリンの顔をしたパンケーキを食べました。かわいかったなぁ。前は自分でも料理をしようと意気込んでいたんですけど、今は忙しくてぜんぜん作れてないですね。ほとんどUber Eatsとか出前館で……。ああ、でも、パンケーキくらいはたまに焼きますよ。昔ながらのカタめのやつを(笑)」
「飛べる今のうちに飛びたいんです」
上谷は白いベルトとともに、自分自身の人間的な成長を感じているようだ。
「昔から人とコミュニケーションをとるのが苦手でした。でも、ベルトを取ってからは自信が出てきて、いろいろな人と知り合って、少しは話せるようになってきた気がします。楽しいですよ。今までは気持ちの弱さがあったけど、ちゃんと成長してるんだな、って。心も体も強くなりました」
近い将来、上谷は白川と白いベルトをかけて再戦することになるだろう。つらい思いをした白川だが、試合直後から強い言葉を発して、新ユニットClub Venus(クラブ・ヴィーナス)を結成して這い上がってきた。
「辛い出来事があったにも関わらず、這い上がっていく姿を見て、正直カッコいいな……と思って見ていました。でも、やっぱり戦わないとモヤモヤ感は払拭できない。いずれ必ず、白川未奈ときちんと再戦したいです」
フェニックス・スプラッシュをはじめとする空中殺法は、常に危険と隣り合わせだ。相手はもちろん、仕掛ける側にもダメージが残る。
「最近は体をケアするためにマッサージや整骨院にも通っています。身を削りながら、覚悟を持ってやっているつもりです。やっぱり飛び技って、プロレスを知らない人にも一発で『すごい』って思ってもらえるじゃないですか。自分にそれができるのなら……。永遠に飛び続けられるわけではないからこそ、飛べる今のうちに飛びたいんです」
大阪でも、上谷沙弥の華麗な飛び技が炸裂するだろうか。
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