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「中学で英検準2級、藤浪すごいな」大阪桐蔭・西谷監督も期待する“秀才”藤浪晋太郎のメジャー挑戦「阪神に感謝。英語スピーチはさすが」
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph bySankei Shimbun
posted2023/01/26 11:15
大阪桐蔭・西谷監督の好物ベビースターラーメンを差し入れする藤浪晋太郎(2017年1月)
「もともとケガはあまりしたことはない方でしたが、チームからも期待をされる以上、自分で考えながら調整していかないといけません。球団全体で藤浪を育てていこうという雰囲気はすごく感じましたし、本人も頑張っていましたが、プロはそんなに甘い世界ではありませんしね。うまくいかないことも出てきた中で、大変だったとは思いますが、今となっては勉強になることも多かったのではないでしょうか。
ただ、そういう状況の中でポスティングで送り出していただけるのは本当にありがたいことです。本人も感謝しているとは思いますし、今年からは、と気合いが入っているのではと思います」
西谷監督は、シーズン中に藤浪とほとんど連絡は取ることはないが、甲子園出場が決まれば必ず“おめでとうございます”とメッセージが届く。宿舎には出場するたびにドーナツやアイスクリームといったお菓子など様々な種類の差し入れが届き、甲子園での試合をこっそり見に来る藤浪の姿は何度か見かけたことがある。
「阪神の選手なので近いからというのもあると思いますが、色々とやってもらいましたね」
そう言って、後輩や母校への変わらぬ気遣いに感謝した。
「何も言わなくても藤浪はちゃんとやる」
これから藤浪が挑む“世界”は、さらに厳しく、さまざまな壁が立ちはだかる。
「環境を変えて挑戦したいという藤浪の思いを球団が認めてくださった。いくらメジャーに行きたいと言っても、球団からOKが出ないと送り出してもらえないわけで……。こんな状況でも快く送り出していただけるのはありがたいなという気持ちになりました。
日本の野球もレベルが高いですが、さらにレベルの高い世界に行くのですから、また、うまく行くこと、行かないことも出てくると思います。でも、こんなチャンスをいただいた以上、周囲に感謝をして恩返しできるような活躍をしてもらいたいです。まぁ、僕が何か言わなくても藤浪はちゃんとやっていけると思いますけれどね」
記者会見での流暢な英語のスピーチも印象的だったが「あれはきちんと事前に準備していたんでしょうね。さすがです」と指揮官は笑った。
そして最後に指揮官はこう締めくくった。
「彼が自分の人生を懸けて決めたこと。海外に出てしまい、顔を合わせる機会も少なくなりますが、見られる時はテレビで試合を見ますよ。これからも応援しています」
恩師からのエールは藤浪の力になる。
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