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「僕の名前はラーズ・ヌートバー。日本人です」ヌートバー10歳、突然の“予言”…母クミさんが語る“WBC代表選出の15年前”「あれは本気だったのか」
posted2023/01/18 11:04
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph by
Kumi Enokida Nootbaar
「未来の日本代表」ラーズ誕生秘話
――まずはラーズ・ヌートバー選手の日本代表入り、おめでとうございます。
クミ ありがとうございます。本当に“まさか”だったので……。今も夢みたいな感覚です。
――お母さまのクミさんは埼玉県出身の日本人、お父さまのチャーリーさんはオランダ系のアメリカ人なんですよね。いきなりですが、お二人はどこで出会ったんですか。
クミ もう30年も前の話なので照れくさいんですが、私が専門学校を卒業後、語学留学をしていたときに、カリフォルニア・ポリテクニック州立大の学生だったチャーリーと出会ったんです。日本に興味があるアメリカ人がいる、と紹介されて。
――以降、親しくなっていったと。
クミ その時はまだそれほど。ただ、彼が日本に留学、それも坂戸(埼玉)のホストファミリーの家に滞在する予定って聞いたんです。えっ、地元近いじゃん! って。私もちょうど帰国するタイミングだったので、どこかで会えるかもね~なんて話してたんですけど、そのホストファミリーからドタキャンされちゃったみたいで。行くあてもないから、じゃあうちに滞在する? ってなって、あれよあれよと。
大学卒業後、チャーリーは日本企業の東洋水産に就職して、シアトルに2人で転勤したり、転職したりを経て、彼の地元カリフォルニアに戻ってきました。
――お子さんは3人いらっしゃって、ラーズ選手は末っ子なんですよね。
クミ 長男、長女と続いて、1997年にラーズが生まれました。外国での出産は不安でしたし、妹の結婚式や出産が重なったこともあり、前の2人は日本に帰国して産んだんですが、ラーズはロサンゼルスでした。もう3人目ですし、ちっちゃいのを2人連れて飛行機に乗るのもさすがに大変ですから。