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今村聖奈(19歳)が見せつけた「スター性」 史上初、JRA女性ジョッキー4名の“競演”が華やかだった…減量制度と“男女差”の大切な論点
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph bySankei Shinbun
posted2023/01/18 11:00
史上初のJRA女性騎手そろい踏みとなった、1月15日の小倉12Rにて、ヒノクニとともに勝利を飾った今村聖奈(19歳)
13番枠から出た今村のヒノクニが好スタートを切り、内の馬を行かせて4、5番手を追走する。そこから2馬身ほど後ろの中団内に古川のハーディローズ、さらに2馬身ほど遅れた内に藤田のエイシンディアデム、その1馬身後ろの外に永島のタガノスペルノヴァがつけている。
今村のヒノクニは前を射程に入れたまま3、4コーナーを回る。後ろからは永島のタガノスペルノヴァが差を詰めてくるが、藤田と古川の馬は中団より後ろのままだ。
ロスなく好位の外目を進んできた今村のヒノクニが、先頭から2馬身ほどの5番手で直線に向いた。今村が手綱を押すアクションを大きくし、ラスト100m付近で左ステッキを入れるとヒノクニはさらに加速。内に馬体を併せてきた泉谷楓真のバトルシャイニングを頭差で競り落とし、先頭でゴールを駆け抜けた。
「女性騎手の競演」として大きく注目されたレースを、本当に女性騎手が勝ったのだ。
今村聖奈が見せつけた「スターの華」
4騎手の揃い踏みに関しては「特に意識していなかった」という今村にとって、これが今年の3勝目。「結果を出すことができて嬉しいです」とコメントしたのは、注目された一戦で勝てたからではなく、12着に終わった前走からつづけて騎乗したヒノクニで勝てたからだろう。
それにしても、小倉に日本中の視線を集めたレースを九州産馬のヒノクニで勝ち、メディアに「歴史的V」とまで表現させた今村は、スターに必要な「華」を持っている。
なお、永島は7着、藤田は11着、古川は13着だった。
この日は、第1レースを永島のミッキーマカロン、第2レースを藤田のユカリプレリュードが勝っていた。女性騎手3人による勝利は、昨年10月16日の新潟以来2度目のことだった。複数の女性騎手による活躍はこれに始まったことではなく、2021年4月10日の新潟7レースで藤田と永島がワンツーフィニッシュを決め、翌週17日の新潟7レースでは古川、藤田、永島によるJRA史上初の女性騎手によるワンツースリーフィニッシュがなし遂げられた。