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「背筋も喜んでるわ」井上尚弥29歳が語る“自分の筋肉”…なぜ先輩・八重樫東にトレーニングを依頼した?「お尻がデカイとよく言われます」 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byNaoki Fukuda

posted2023/01/15 17:01

「背筋も喜んでるわ」井上尚弥29歳が語る“自分の筋肉”…なぜ先輩・八重樫東にトレーニングを依頼した?「お尻がデカイとよく言われます」<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

12月のバトラー戦で4団体統一王者となった井上尚弥。1階級上のスーパーバンタム級転向を正式表明した

「すべては連動なのでどこと言われると難しいんですけど、やっぱり下半身は大事だと思います。お尻がデカイとよく言われます。肩周り、広背筋のあたりも意識するところですね。パンチを打つときに肩を入れるので」

 WBCバンタム級王座を12度防衛した“神の左”山中慎介さんが「パンチ力は下半身。下半身のパワーを上半身に伝える」と繰り返していたように、強いパンチを生み出すのは下半身だと多くのボクサーが感じている。肩周り、広背筋もモンスターの強さの秘訣だ。6月のドネア第2戦後、井上が背中をクローズアップした写真をツイッターにあげ「あれだけ必死こいてトレーニングしたんだもんな。。背筋も喜んでるわ」とツイートして話題を呼んだのは記憶に新しい。ほかにも気にしている筋肉はある。

「腸腰筋は上半身と下半身をつなぐ筋肉なので重要性は高い。あとは、腹斜筋がすごく発達していると何度か言われたことがあります。確かに計量のときに自分の体を見ると腹斜筋が目立ちますね。マニー・パッキャオも腹斜筋がすごいじゃないですか。そう考えると強いパンチを打つことと腹斜筋は関係があるのかもしれません」

 この言い回しからも分かるように、井上は最初から意図して、計画的に強いパンチが打てる筋肉を鍛えてきたわけではない。ボクシングのトレーニングを続けているうちに、気がついたら強打を生み出す筋肉がついていた、という順番である。

「強いパンチ、安定したパンチを打とうと意識して、考えて、サンドバッグを叩き、ミットを打つことを何年も繰り返した結果、お尻とか腹斜筋とかが鍛えられたと思います。もちろんフィジカルトレーニングの効果はあるんですけど、あくまで土台はボクシングのトレーニング。知識はあとからついてきた、と言えるかもしれません。だから最近はいろいろな選手の体を見て、『おっ、こいつはパンチありそうだな』というのが何となく分かるようになりました」

<続く>

#2に続く
「今だから言えますけど…」モンスター井上尚弥29歳が告白する“減量のキツさ”「12月のバトラー戦、前ももがつりそうだった」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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