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進取の将棋BACK NUMBER
羽生善治九段52歳の新境地「後手番の“ある戦法”」にタイトル経験棋士がシビれる理由「AI的には…ですが」〈藤井聡太王将に挑戦〉
text by
中村太地Taichi Nakamura
photograph byNumberWeb
posted2023/01/08 11:03
王将戦第1局前日記者会見より。羽生善治九段は通算タイトル100期に向けて、藤井聡太王将に挑戦者の立場で臨む
藤井－羽生の王将戦、注目ポイントはやはり…
冒頭に申し上げた通り、藤井王将と羽生九段のタイトル戦初対決となる王将戦は、歴史に残る番勝負となるのは間違いありませんので、ぜひ注目していただきたいなと。その中でどこが戦いのポイントになるか、ですか？ 全部です……と言いたいところですが（笑）、分かりやすいところで言えば、やはり戦型でしょうか。
藤井王将のエース戦法である角換わりがどの展開で用いられるのか、羽生九段の視点で言えばどこで横歩取りを繰り出すのか。角換わりも横歩取りもどちらも1局は出る予感はしています。
さらに角換わりで言えば「腰掛け銀」という最先端中の最先端のもので、とても深いところまで研究が進んだ戦いになるのか、それともあまり定跡が整備されていない展開になるのか。そういった駆け引きを含めての展開はまず注目点です。
そして両者ともに、抜群の終盤力を有し、将棋史に残る驚きの一手を数々繰り出してきました。ギリギリの終盤戦に突入したところで藤井王将、羽生九段の紙一重の攻防を、ぜひ堪能していただきたいです。
私自身、順位戦B級1組の最終局では羽生九段と対局します。そのための研鑽に励みつつ、藤井王将との真剣勝負をしっかりと目に焼き付けたいと考えています。（構成／茂野聡士）
＜#1／藤井将棋編からつづく＞
