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「頭蓋骨の厚さが常人の倍」マーク・ハントの“超人伝説”を本人に聞いてみたら…格闘技カメラマンが振り返る“愛すべき剛腕”の思い出 

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長尾迪

長尾迪Susumu Nagao

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photograph bySusumu Nagao

posted2022/12/30 17:22

「頭蓋骨の厚さが常人の倍」マーク・ハントの“超人伝説”を本人に聞いてみたら…格闘技カメラマンが振り返る“愛すべき剛腕”の思い出<Number Web> photograph by Susumu Nagao

2014年、UFC日本大会のため来日したマーク・ハントを新宿のスナックで撮影。K-1、PRIDE、UFCで数々の名勝負を生み出したレジェンドだ

 当時の私は、K-1のオフィシャルカメラマンとしてスタジオ撮影を担当していた。グランプリ王者は、次回の参戦のときにベルトを巻いた姿を撮ることが決まりであり、最重要事項のひとつだった。撮影当日、姿を現したハントは人懐っこい笑顔で、大きな身体を縮めながらこう言った。

「実は母国にトランクスを忘れたんだ……。知り合いが明日の飛行機で持ってくるので試合には間に合うから、今日の撮影はこれでもいいかなぁ?」

 と、彼がカバンから取り出したのは、派手な図柄の腰布だった!

 他に選択肢がなかったこともあるが、何よりもサモアの伝統的な衣装ということで、もちろんスタッフ全員一致で快諾。撮影中のハントはノリノリで、笑顔いっぱいの撮影になった。

新宿のスナックで「クールだったよな、あの写真」

 2014年のUFCの日本大会の際、メインイベントに出場するハントの個別取材の撮影をする機会があった。そのロケ地はなぜか新宿のスナックで、普段とは違うローカルなシチュエーションに彼も喜んでくれた。

 取材の合間に件の腰布での撮影の話をすると、

「腰布で撮影したのはあのときだけだよ。クールだったよな、あの写真」

 と大笑い。さらに、私が「ハントの頭蓋骨は常人の倍の厚さがある」という噂について聞くと「自分の頭蓋骨を他人と比べることなんかできないよ! ただ、俺はスーパーサイヤ人だから、普通の人でないことは確かかもね」と真顔で答えてくれた。

 いつもユーモラスでウィットに富んだ素敵な男だ。常に謙虚で、試合前にトラッシュトークで対戦相手を挑発することもなかった。己の強さは、試合で示せばいい。昨今、こんな格闘家が少なくなった気がするのは筆者だけだろうか。

 親愛なるマークへ。

 今年の年末には、試合のセコンドとして日本に来ると聞いているよ。

 14年ぶりに、今年の大晦日は一緒かな。

 引退したと聞いているけど、来年あたり日本で最後の試合をやってくれないかな?

 試合が無理なら、セレモニーだけでもやってほしいよ。寒さに気をつけて、よいお年を!

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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