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堀江翔太も驚き「力也は脚がだいぶ太くなった」帰ってきた“王者の10番”松田力也のパワーアップがスゴい「開幕から行く気満々です」
posted2022/12/16 17:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Nobuhiko Otomo
「力也」の名前の通り、力強い復活宣言だった。
「強くなって帰ってこれたな」
松田力也の声は、自信にあふれていた。
リーグワン開幕が2週間後に迫った12月3日、熊谷ラグビー場では埼玉パナソニックワイルドナイツと東京サントリーサンゴリアスのプレシーズンマッチが行われていた。
トップリーグラストシーズンとなった2021年、そしてリーグワン最初のシーズンとなった2022年、ともにプレーオフファイナルを戦った両チームによるシーズン前の力試し。その舞台に、松田は満を持して帰ってきた。
自在にゲームを操る10番の復活
松田はサンゴリアス戦に背番号10をつけて先発。精度の高いキックで陣地を前に進め、ボールを動かすとなれば小さなモーションから素早くパスをBKのスピードランナーへ、あるいはFWのパワフルランナーへ、自在の判断で送り続けた。
試合は40分×3本の変則マッチで行われ、トータルスコアではサンゴリアスが35-26で勝利。ただ、松田が出場した最初の40分――互いに最もレギュラーに近い主力組を並べた――に限るとワイルドナイツが26-21と勝利している。それも、30分過ぎには12-21とリードされながらラスト10分でひっくり返すという、昨季のワイルドナイツの80分のゲーム運びを40分に凝縮したような戦いだった。
19分には左タッチ際からの難しいコンバージョンキックも鮮やかに成功。復活を見届けようと熊谷ラグビー場にかけつけたファンから感嘆のうなり声が聞こえた。
「今日は20分から40分ということで自分の時間をもらえたんですが、やってみたらもっと行けるな、という感じでした。身体のフィーリングもよくて、膝も全然怖さを感じなかった。ケガをしたところの回復だけにフォーカスするんじゃなく、身体全体のトレーニングをやってきましたから」
試合後のミックスゾーン。松田はそう話すと、冒頭の台詞を口にしたのだ。
「フィジカルが強くなって帰ってこれたな」