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川島永嗣39歳が「一区切り」、長谷部誠「一番やりたいことはサッカー」、“再評価”された酒井高徳…日本代表を退いても“全盛期”は続く
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKaoru Watanabe,Kiichi Matsumoto,Takuya Sugiyama/JMPA
posted2022/12/15 17:00
長谷部誠、川島永嗣、酒井高徳……代表活動について、W杯を期に区切りをつける選手たちはいる
代表引退後の長谷部に訪れた“第2の全盛期”
<名言3>
今の自分が一番やりたいことはサッカーをプレーすること。
(長谷部誠/Number1004号 2020年6月4日発売)
◇解説◇
日本代表を引退することで、フットボーラーとしての新境地を見せている。その代表格と言えば長谷部だろう。南アフリカ、ブラジル、そしてロシアW杯の3大会で抜群のキャプテンシーを見せた長谷部は、4年半前のベルギー戦を最後に代表ユニフォームに別れを告げた。
ここから長谷部はキャリアの最終盤に向かうのだろうな……と考えていた多くのサッカーファンの予測を裏切るように、プレーヤーとしての円熟、いや第2の全盛期に入ったのだ。
2018-19シーズンに3バックのリベロとして新境地を開拓し、所属するフランクフルトで“カイザー(皇帝)”のような存在感を発揮。ドイツ専門誌『キッカー』のベストイレブン選出、ヨーロッパリーグ(EL)ベスト4進出の立役者となった。その後も主力化した鎌田大地とともにチームに欠かせぬ一員となると、21ー22シーズンのEL優勝を経験するなど、年齢とともに渋みを増した輝かしさを放っている。
今やフランクフルトでの契約延長は“冬の恒例行事”になるとともに、「ブランドアンバサダー」という肩書きが長谷部に加わっている。2020年当時、長谷部はこう語っていた。
「引退した後のことをはっきり決めてはいませんが、指導者も一つ視野に入る中で、今回クラブにそのサポートをしていただけることになりました。それならば僕もクラブのイベントに出たり、アドバイスしたりといった仕事をしたいと思っています」
「その一瞬、一瞬を噛み締めています」
ドイツで指導者講習会を受講するなど、冷静にプレーヤーとしてのキャリア後のビジョンを見据えている。しかし、38歳となった今でも、プレーに対する情熱は決して冷めたわけではない。
「若い選手にスピードで置き去りにされて(笑)、それでも這いつくばってサッカーをプレーする、その一瞬一瞬を噛み締めています」
どんな肩書きがついても、常に焦点は今。だからこそ、結果や信頼を集めることができるのだろう。
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