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「素人の喧嘩じゃない、これが格闘技だ」平本蓮はカオスな格闘技界の救世主か、それとも…W杯日本戦でも炎上上等の「クロアチア応援です」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2022/12/12 11:01
元DEEP王者の弥益ドミネーター聡志を破り、「これからは平本蓮の時代です」と宣言。SNSでの“平本劇場”にも拍車がかかっている
キックからの転向組に吹き始めた追い風
かつてはミルコ・クロコップやマーク・ハントのようにキックボクシングからMMAに転向して成功する例もあったが、その後はあまり聞かなくなってしまった。それでも、最近はキックからの転向組に再び追い風が吹き始めたような気がしてならない。
2019年にUFC世界ミドル級王者になったイズラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)はキックボクシング出身で、ヨーロッパ最大の立ち技プロモーションGLORYを中心に81戦75勝のキャリアを誇る。11月12日、平本もリスペクトするそのアデサニヤをKOで撃破し、新たにUFC世界ミドル級王座に就いたアレックス・ペレイラ(ブラジル)も、元GLORY世界ライトヘビー級王者という肩書きを持つ。
国内からも、キックボクシングからMMAに転出するケースが出てきた。RISEウェルター級王者として活躍し、その後キックとMMAの二刀流で活動していた“ブラックパンサー”ベイノアは今後MMAに専念する動きを見せている。大晦日にはUFCを目指す路線からRIZINに転出してきた宇佐美正パトリックと対戦する。そういえば、平本が目の敵にする鈴木千裕もキックとMMAの二刀流だ。
また、昨年12月31日に皇治から勝利をあげて知名度をさらに高めたYA-MANもMMAの練習に着手しており、早ければ大晦日にもMMAデビュー戦を迎えることになるだろう。今後、日本でも平本を筆頭に、キックボクシングからMMAへの転向組の逆襲が始まるのか。
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