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「素人の喧嘩じゃない、これが格闘技だ」平本蓮はカオスな格闘技界の救世主か、それとも…W杯日本戦でも炎上上等の「クロアチア応援です」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2022/12/12 11:01
元DEEP王者の弥益ドミネーター聡志を破り、「これからは平本蓮の時代です」と宣言。SNSでの“平本劇場”にも拍車がかかっている
萩原の返信を見て平本はすぐに「なんだせっかくチャンス上げたのに じゃあ4月試合しようよ 終わらせてやる」と受けて立つ姿勢を見せた。
勝っても負けても話題になる男だけに、その前に大晦日決戦に出場して因縁浅からぬ朝倉未来との一戦を期待する声も多かったが、すでに朝倉は「大晦日は10億円積まれても出ない」と宣言。平本も「2月まで骨がくっつかないと偏頭痛が治らないから、大晦日は絶対ありません」と語っている。
「多分、次は春かな?」
平本の欠場理由は明白だ。ドミネーター戦の前から足の指を骨折しており、手負いの状態で11月の試合を強行せざるをなかった。結果としてドミネーターに勝利を収めることはできたものの、痛めていた箇所を再び骨折してしまったという。来年の復帰戦まで、平本の唯我独尊劇場はSNSで楽しむしかない。
「天心vs.武尊」以降、カオスと化した格闘技界
2022年の格闘技界のトップニュースといえば那須川天心vs.武尊に尽きるが、それ以降は大きな岐路に立たされている。試合が始まってみないと模範試合なのか、ガチンコ(真剣勝負)なのかわからないエキシビションマッチや、有名人も含む素人があまた出場する格闘バラエティというべき大会にスポットライトが当たるようになったからだ。「視聴者数やビュアー数を稼げたら正しい」という風潮もある現在、良くも悪くも格闘技というジャンルは大きく変容しつつある。
そもそも格闘技という単語は、総合格闘技、キックボクシング、そしてフルコンタクト空手など、オリンピックスポーツとして認知された格闘競技以外のファイティングスポーツを指す集合名詞だった。世間には認知されているけど、一般メディアには取り上げられにくい性質はある意味プロレスに似ている。
いったい何が格闘技で、誰が格闘家なのか。個人的には明確に線引きしてほしいところだが、逆にあやふやになる一方だ。いま、「格闘技とは何か?」という問いかけに対して、明確な解答を用意している選手や関係者は何人いるのだろうか。