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久保建英が“韓国の親友”と約束「ベスト8で会おう」W杯で日韓戦の実現なるか…“フォロワー爆増中”あのFWの意外なキャリアも
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byGetty Images
posted2022/12/05 17:15
劇的な逆転劇で決勝トーナメント進出を決めた韓国。決勝ゴールを演出したソン・フンミンとファン・ヒチャンの歓喜のハグ
もう一人のヒーロー、ファン・ヒチャンもプレミアリーグで活躍する26歳のストライカー。ザルツブルク時代は南野拓実とチームメイトだったこともある。キレのあるドリブルと一度スピードに乗ったら止められない突破が武器。韓国の攻撃陣では絶対に欠いてはならない選手だが、左ハムストリングにケガを抱えており、ポルトガル戦が今大会初出場だった。彼が初戦と第2戦を欠場したことで、ソン・フンミンへの負担が増えていたのは間違いない。
ファン・ヒチャンはポルトガル戦終了後、韓国メディアにこんなことを語っている。
「ケガはある程度回復しましたが、リスクがある状態でした。カタールに来たとき、痛みはそこまでありませんでした。でも、練習の強度を高める過程で、痛みが出てきたので練習ができない状態になり、初戦は出られなくなったんです。2戦目は出場の可能性もありましたが、医療チームとコーチは『無理しないように』という判断でした。それで3戦目と(勝利すれば)決勝トーナメントに出られる準備をしていました」
つまり、ファン・ヒチャンの途中出場は、1-1の状況から「藁にもすがる思い」だったわけだ。ソン・フンミンが相手を引き付けて出したパスのタイミングと視野の広さ、そこにボールが来ると予測して走りこむファン・ヒチャン。たった一発のゴールで結果を残すところ、プレミアリーグで揉まれた経験値と格の違いを見せた瞬間でもあった。
フォロワーは230万に爆増
そんな2人に続けと、いま韓国では24歳の若手FWが脚光を浴びている。ガーナを相手に豪快な2得点を奪ったチョ・ギュソンだ。試合は2-3で敗れはしたものの、たちまち時の人となった。
K-POPアイドルを彷彿させる容姿は海外メディアからも注目され、「サッカー界のBTS」と“イケメン”ぶりも報じられた。大会前は約2万人だったフォロワーが今では約230万人となり、今もその数は増え続けている。
身長189センチで右利き。元々はセンターバックだったが大学在籍時にボランチでプレーし、その後は攻撃的なセンスが見抜かれ、最終的にFWへ転向したという。
大学を中退して2019年にプロ入り。Kリーグ2(2部)のFC安養でキャリアをスタートさせ、1年目から33試合で14ゴールを決めて、ベストイレブンにも選出された。2020年からはKリーグの名門・全北現代に移籍。ただ、主力になるほどの力はなく、経験を積ませることに加えて、兵役義務を終わらせることを考慮して、全北現代は2021年から韓国軍体育部隊傘下の金泉尚武(キムチョンサンム)へ送ることを決める。この判断が功を奏し、チョ・ギュソンは27試合8ゴールと結果を残し、同年9月に代表に初招集された。