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「やれるんじゃないかな」田中碧が思い描くクロアチア戦、理想の戦い方「前半3-0とかでリードしたいですよ。ただ…」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2022/12/05 11:00
3日の練習後、取材に応じる田中碧。語り口は軽く、どこか余裕を感じさせた
ぶれないことが大事かなと思います
スペイン戦やドイツ戦よりもボールは握ることができるかもしれない。ただそれでも、自分たちの戦いを捨てることはない。
「もう、ぶれないことが大事かなと思います。相手が替わったから(と言って)変えることはない。今までやってきたことを変えるのにもリスクがあるだろうし。そういう意味では前半は0-0っていうのはもちろん、点を取れればそれに越したことないけど0-0で行くっていうのは自分たちの戦い方でもあって、まずはそこをぶれずにやることが大事ですね」
その上で、後半ギアを上げるという90分間のイメージはできている。
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「後半ギアがあがるというか、ドイツ戦スペイン戦は前半で失点してるんで勝手に上がるだけで(笑)。いや前半で3-0とかにしたいですよ、気持ちとしては。ただ現状それが難しいだけで。やっぱり後半ああやって選手を代えることと、出てる選手自身の(逆転できるという)メンタリティは、(2勝したことで成功体験となり)すごい強みになっています。 前半0-0で少しボールを握れたりすれば、後半に必然的にこっちの時間が来る瞬間があるので、そういうものを我慢してそこで仕留めるのがいいかなと思います」
やれるんじゃないかなっていう風に思うので
おそらくはボールを少し保持できても、そこで慌てず後半にしっかり勝負をかけるという方向性のようだ。
田中はそんな分析を明かしつつも、最終的にはシンプルにポジティブだった。
「やれるんじゃないかなっていう風に思うので、あとはそれを現実にするかどうかだけだと思います。いままでやってきたことの結果はひとまずおいといて、自分たちのサッカーをやればいいかなと」
田中の「やれるんじゃないかな」というその口ぶりは、頼もしさよりもどこか肩透かしを食らうような気軽さを伴っていた。それくらいの気負うことのない試合への向き合い方のほうが 、新しい景色を見るための扉はあくのかもしれない。
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