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テーオーケインズの牙城を崩すのは誰か?「一強」ムードのチャンピオンズカップ、相手筆頭はあの“オメガパフュームと競った馬”
posted2022/12/03 11:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
これほど揺るぎない「一強」ムードが漂うJRA・GIは、今年初めてだろう。
第23回チャンピオンズカップ(12月4日、中京ダート1800m、3歳以上GI)は、断然の「一強」と見られている昨年の覇者に、ダート路線で花ひらいた上がり馬と、強い3歳勢が挑む構図になっている。
テーオーケインズはきわめて順調
馬名のとおり「帝王」としてダート界に君臨しているのが、昨年このレースを6馬身差で制し、最優秀ダートホースとなったテーオーケインズ(牡5歳、父シニスターミニスター、栗東・高柳大輔厩舎)である。
今年は、初の海外遠征となったサウジカップで8着に敗れるも、帰国初戦の平安ステークスを楽勝。しかし、次走、レース史上初の連覇を狙った帝王賞は、伸び切れず4着。敗因のはっきりしない、嫌な負けだったが、秋初戦のJBCクラシックでは2着を2馬身半切って捨て、本来の強さを見せた。
この中間はきわめて順調。追い切りを見守った高柳調教師も、「昨年のようなハイパフォーマンスを出せると思います」とコメントしている。
勝つときは後ろを大きく離さずにはいられないという、この馬らしい走りを期待してよさそうだ。
「一強」でも、「絶対」はない
このレースの前に「一強」と見られていたGIを近い順に並べると、昨年のマイルチャンピオンシップ(グランアレグリア、1着)、安田記念(同、2着)、ヴィクトリアマイル(同、1着)、日本ダービー(エフフォーリア、2着)、といったところか。
今年の大阪杯でもエフフォーリア(9着)が単勝1倍台の支持を得ていたが、3.7倍のジャックドール(5着)との「二強」といった雰囲気だった。
考えてみれば、今年のGIで1番人気が勝ったのは天皇賞・秋(イクイノックス)だけだ。それもあって、たとえ「一強」と評価されるほど突出した実績馬でも、「絶対」ではないような気がしてくる。