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大谷翔平だけが「MLB移籍で本塁打率がアップした日本人」の中で… 吉田正尚の成功可能性は?“欲しい時に安打を打てる”のは強みだが 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama

posted2022/12/04 17:00

大谷翔平だけが「MLB移籍で本塁打率がアップした日本人」の中で… 吉田正尚の成功可能性は?“欲しい時に安打を打てる”のは強みだが<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

日本一を置き土産に、メジャー挑戦を決断した吉田正尚。過去の日本人選手の成績から予測すると?

 上記の数字を見ても大谷は打率こそ93.4%だが、本塁打188.2%とNPB時代からほぼ倍増している。しかも投手成績も向上している。吉田正尚が大谷のように「大化け」する可能性だってなくはない。

 ではあるが、大谷翔平は例外的だ。

 彼はMLBに来てから明らかに進化した。

 オフにシアトル近郊の「ドライブライン・ベースボール」というジムに通い、自身の投打のフォームを動作解析し、バージョンアップさせ続けて、肉体改造も続けている。

30歳前後でMLB挑戦するという難しさ

 そうした「メタモルフォーゼ」に近い進化ができるのなら、吉田だけでなくNPBの優秀な野手は有望だと言えよう。

 ただ大谷翔平は23歳でMLBに渡って「伸び盛り」だった。プレースタイルが固まったあとの30歳前後でMLBに挑戦するのとは、大きく状況が変わるだろう。

 最近、22歳の村上宗隆も早い時期のMLB挑戦を志望していると口にした。この問題は稿を改めて論じたいと思うが、こと吉田正尚については――予想を覆してほしいとは願いながらも――かなり厳しい展望をせざるを得ないのが現実だ。

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