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身長173cmでなぜあの打球? 高校時代の恩師に聞いた吉田正尚の強烈スイング秘話「一塁ゴロで敵が骨折」「高校時代はむしろ細いほう」

posted2022/11/15 11:02

 
身長173cmでなぜあの打球? 高校時代の恩師に聞いた吉田正尚の強烈スイング秘話「一塁ゴロで敵が骨折」「高校時代はむしろ細いほう」<Number Web> photograph by KYODO

2009年夏の甲子園2回戦で安打を放つ敦賀気比の吉田正尚(当時2年)。高校入学時から驚異的な飛距離を出していた

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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オリックスの26年ぶりに日本一に貢献した主砲・吉田正尚(29歳)。球界を代表する打者に成長した今、敦賀気比高校時代の恩師がその軌跡を振り返る(全2回の1回目/#2山崎颯一郎編へ)。

 173cmという小柄な体格を感じさせないフルスイングで、チームを何度も勝利に導いてきた吉田正尚。今秋の日本シリーズでも、第5戦では球団初となるサヨナラホームランを放つなど躍動し、優秀選手に選出。2年連続のパ・リーグ制覇、そして26年ぶりの日本一達成に大きく貢献して、改めて存在感の大きさを感じさせた。

 吉田の恩師である敦賀気比・東哲平監督に“吉田正尚評”について尋ねると、半分呆れたような笑みを浮かべながらこう振り返る。

「今でもあんな打球を飛ばす高校生は見たことがないですね。しかもあの体の大きさであれだけ振れる。いやー、なかなかああいう選手は出てこないと思いますよ」

ボールが潰れるような打球音

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 福井県福井市出身。中学時代は地元の強豪「鯖江ボーイズ」に所属。当時は今ほどがっちりとした体格ではなく、そこまで目立つ存在ではなかった。だが、東監督は何度か視察を重ねるうちに、やたらと打球を飛ばす吉田少年を次第に目で追うようになる。

「ポンポンと面白いように飛ばす子がいたんですよ。え、でも体は小さいのに……何なん? って、最初はビックリしましたね」

 あまりの光景に東は目を疑った。進学先が決まっていなかったことを知ると、すかさず吉田に声をかけた。やがて敦賀気比への入学が決まると、指揮官としてこんな言葉を託す。

「4月から4番を打てるように準備をしておいてくれよ」

 その期待通り、吉田は春の大会から4番に座った。当時は大砲不在で、エースの山田修義(現・オリックス)を中心に守り勝つチームだった。そんなチームの空気を吉田は変えた。

「選手からしたら、どえらいヤツが入ってきたという感じでしたでしょうね。ロングティーをしたら120mは優に飛ばす。ボールを打つというより、なんかこう、ボールを潰しにいっているような音がするんです」

【次ページ】 一塁ゴロで骨折、練習では“譲り合い”

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