フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
「すごい見つめられている感があって…」高橋大輔&村元哉中が奏でる新たな関係性「音楽が鳴った瞬間、大ちゃんの目力が変わるんです」
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto
posted2022/11/23 17:03
NHK杯でフリーダンス『オペラ座の怪人』を演じ切った直後の高橋大輔と村元哉中
「デニス・テン杯のあと、たくさん修正してきたので、新しいフリーダンスじゃないですけど……」
すると高橋が途中から割って入る。
「フリーの後半を修正したので、どこまでレベルもらえるかを確認したいです。あ、邪魔した?」
「はい、後半に注目して欲しいです」(村元)
「すみませんでした」(高橋)
最近はお互いでフォローし合う感じになってきました
高橋はそんな2人の関係を、こう話す。
「最初は哉中ちゃんに引っ張ってもらってたけど、最近はお互いでフォローしあう感じになってきました」
村元も関係性の変化を、こう話した。
「ようやくお互いのウォーミングアップの状態や、どうやって試合に持っていくのかが見えてきて、今回はやっと良いゾーンに入ってこれたと思います」
その翌日。2人は上位5組による第2グループで、練習に参加した。優勝をかけたトップチームが火花を散らす時間である。
「皆がバチバチでした。昨季だったらビビりまくってましたが、今季は物怖じしないで『ギリギリまで避けない』ということが出来るようになりました」
高橋は、競り合いを肌で感じ、気持ちが高ぶっていく。
「今回は、ペース配分をしないでスタートから思い切りやろう。僕はファントムなので、クリスティーナをコントロールするという気持ちでやろう」
そう心が固まった。
音楽が鳴った瞬間、大ちゃんの目力が変わるんです
迎えた本番、高橋の右顔を2人の手で隠すスタートポーズをとる。それは、ミュージカルの第1幕、仮面をクリスティーヌに剥がされる場面。ズエワはこう説明する。
「シングルの時のダイスケのオペラ座は、(最後のスピンの直後に)仮面が剥がされるシーンで終わっていました。なので、第2章である今回は、ストーリーの続き。仮面を剥がされたファントムと、クリスティーヌ、2人の関係性の変化を追っていく内容になるのです」
2人はこの場面をこう語る。