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「韓国のテレビ番組から“監督”のオファーが…」元北朝鮮代表・鄭大世はなぜ引退後に韓国で芸能活動を?「自分が好きだから、ずっと“センター”にいたいんです」
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byYuki Suenaga
posted2022/11/08 11:02
今季引退を発表した鄭大世。なんと今後は韓国で芸能活動を行っていくという。インタビューでその理由と勝算を聞いた(全3回のうち、第3回)
鄭大世 サッカー選手出身の大久保嘉人さん、内田篤人らがテレビに出ていますが、まだそこまで「席」はないと思います。僕も日本で活動したいですが、正直、いまは需要がありません。もちろん、解説の仕事など依頼があれば、その都度、韓国から戻ってきたいと思っています。
――韓国での仕事は、具体的に話が進んでいるのですか。
鄭大世 最近、韓国で人気を博している芸能系のフットサル番組で女子フットサルチームの監督を務める予定になっています。それが最初の仕事になる予定です。2013年から2015年まで水原三星(韓国)でプレーしていたこともあり、2017年には韓国でレギュラー番組にも出演していましたから、韓国だとある程度需要があるんですよ。
韓国の国民的番組『ラジオスター』のオファーも来ていた
――レギュラー出演していたのは、どのような番組だったのですか。
鄭大世 韓国で人気のリアリティ番組『同床異夢』です。ドキュメンタリー・バラエティみたいなジャンルかな。日常生活の中にカメラを入れて、家族でのやり取りをお茶の間に届けるような感じです。国民的人気のキム・グラさんがMCを務める番組『ラジオスター』の出演依頼もあったのですが、そのときは断りました。当時は清水エスパルスの選手でしたし、さすがに時間がなくて。1日のオフを利用し、韓国まで行って撮影していましたから、いま振り返っても、多忙な生活を送っていたと思います。
――体がよくもちましたね。
鄭大世 あのときはピッチで結果を残し、心の余裕があったので、何でもできると思い込んでいました。本来、休養日は体を休めないといけないのに。サッカーを裏切ると、サッカーに裏切られるんです。翌年、清水はヤン・ヨンソン監督体制となり、僕は信頼を得られずに出場機会ががくっと減りました。因果の鉄槌を食らったのかな……。そこからはサッカーに集中し、38歳まで現役を続けましたが、悪いことをすれば、すべて自分に返ってくるということです。