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「韓国のテレビ番組から“監督”のオファーが…」元北朝鮮代表・鄭大世はなぜ引退後に韓国で芸能活動を?「自分が好きだから、ずっと“センター”にいたいんです」
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byYuki Suenaga
posted2022/11/08 11:02
今季引退を発表した鄭大世。なんと今後は韓国で芸能活動を行っていくという。インタビューでその理由と勝算を聞いた(全3回のうち、第3回)
鄭大世 カタール・ワールドカップ期間中は、日本のテレビで解説の仕事依頼を受けています。しゃべりに関しては自信があります。話しているときは自分が中心ですしね。いまこうして取材を受けて、話すことも好きだし、楽しいんですよ。
――カタール・ワールドカップが終わると、どうするのですか。
鄭大世 12月以降は、韓国に拠点を移します。実は以前から向こうの事務所に所属していて、仕事のオファーをもらっていました。韓国でブレイクしている秋山成勲さん(在日韓国人4世)からも声をかけてもらい、「早くこっちに来い。いまがチャンスだ」と言われているんです。日本以上にスポーツ選手が芸能界に呼び込まれていて、居場所があるようです。
――韓国のテレビ業界は、日本以上に生き残り競争が激しいのでは?
鄭大世 どこの世界にも競争はあります。ビジネス用語ではブルーオーシャン(競争相手が少ない未開拓市場)、レッドオーシャン(競争相手が多い既存市場)という言い方をしますが、韓国は間違いなく後者。そもそもサッカー界で成功する確率なんて、日本の銀行金利並に低い。僕は0.001%と言ってもいいくらいの世界で生きてきました。今回も成功の可能性を考えているのではなく、後悔しないことを重視して選択しました。新しい世界へ飛び込むときに失敗することは考えません。僕はビジネスマンではないですしね。サッカーが好きだからボールを蹴るという感覚と同じ。楽しそうだからチャレンジする。それで成功できれば、いいかなと。
日本の芸能界は?
――日本の芸能界で働くつもりはなかったのですか。