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[現地レポート]ダルビッシュ有「時代に逆らう必要もある」

posted2022/11/06 07:02

 
[現地レポート]ダルビッシュ有「時代に逆らう必要もある」<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

text by

小西慶三

小西慶三Kezo Konishi

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Yukihito Taguchi

パドレスのエースとして、大車輪の活躍を見せた。その裏には36歳、メジャー11年目を迎えても尚、投球への探求心を抱き続ける姿勢があった。クラブハウスでの言葉から、独特の思考法に迫る。

 2022年10月23日、シチズンズ・バンク・パークでのナ・リーグチャンピオンシップ第5戦。フィリーズファンの大歓声で埋めつくされた敵地球場で、パドレス先発のダルビッシュ有が淡々とアウトを重ねていく。小雨が降り、スパイクにへばりついた土を1球ごとにかき落とすことを除けば、いつもと変わらない風景だ。パドレスは敗れてシーズンが終わったが、何があっても動じないマウンドでの姿は、メジャー11年目のシーズンを象徴するかのようだった。

「早かったですね、すごく。自分のやることにとにかく集中していて、もう野球だけって感じだったので、その中でこのチームで色んな人間関係ができたりとか、すごくいい友達がたくさんできたりとか、いろんないいことがたくさんあった年だったと思います」

 プレーオフでは4度の先発。メッツとのワイルドカードシリーズ第1戦でマックス・シャーザーに、ドジャースとの地区シリーズ第2戦ではクレイトン・カーショーに投げ勝った。フィリーズとのリーグ優勝決定シリーズではザック・ウィーラーと2度にわたって息詰まる投手戦。あらためて、球界に存在感を示したシーズンになった。

 2022年のダルビッシュは、まさに頼りがいのあるエースだった。まず開幕投手を務め、ジョー・マスグローブとともに先発ローテーションを守り切った。レギュラーシーズンの投球回数194回2/3はチーム最多で、クオリティ・スタート(6回3自責点以内)はリーグ1位の25度。そのうち9試合で勝ちがつかなかったが、自己最多タイでチームトップの16勝を挙げている。

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