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ABEMAトップ・藤田晋社長を直撃インタビュー「W杯全64試合を“無料生中継”する理由」そして「思い描くスポーツ観戦の未来像とは」 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2022/11/17 11:30

ABEMAトップ・藤田晋社長を直撃インタビュー「W杯全64試合を“無料生中継”する理由」そして「思い描くスポーツ観戦の未来像とは」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

サイバーエージェント・藤田晋社長。取材は東京・渋谷のAbema Towersで行なわれた

藤田社長が注目している日本代表選手は……

――日本列島が沸騰するには、やはり日本代表の活躍が不可欠になると言えます。

「同じグループにスペインとドイツがいるので、僕的には少しやきもきしたんですよ。決勝トーナメントに進む難易度が上がってしまうわけですから。でも日本サッカー協会の人は“逆に良かったです”と言ってくるんです。それを聞いて驚きましたけど(笑)。ただここでジャイアントキリングを起こしてくれたら、歴史に残る大変な大会になるし、おそらく国内もとんでもない騒ぎになるんじゃないですかね」

――日本代表で注目している選手を一人挙げるとすれば。

「間違いなく、三笘薫選手ですね。手に汗握ったあのオーストラリア戦で、終盤に2ゴールを奪ってワールドカップ出場を決めたヒーローですから。あそこまで喜べたゴールってないですよ。それにABEMAは今季からプレミアリーグの放送も始めていて、三笘選手がプレーするブライトンの視聴数は好調です。注目されている選手なんだなって感じますし、頑張ってもらいたいですよね」

――世界に目を移せば、前回のロシアワールドカップでフランスを優勝に導いたキリアン・エムバペのように新たなスターが出てくると一段と盛り上がりますよね。

「僕がよく覚えているのは、2002年の日韓ワールドカップで活躍したトルコのイルハン・マンスズ選手。日本のメディアが大きく取り上げたことで大会のスターになったわけじゃないですか。我々もメディアの一端として、そういったスター選手の誕生に関わることができればうれしいですよね」

――現在、日本におけるサッカー人気が低下してきている印象もあります。

「いや、以前がちょっと異常だっただけだと僕は思いますよ。Jリーグが誕生してサッカーブームが巻き起こって、日本が出場したワールドカップも盛り上がりました。世界の舞台で中田英寿選手や本田圭佑選手などスター選手が活躍したこともその要因でしょう。僕がハマっている競馬で言えば、オグリキャップ、トウカイテイオーなど凄い人気の馬が出てくれば熱気がありました。でもそういった馬がいなくて(競馬自体の人気が)下がったといっても、スケール的には依然として大きいまま。サッカーも多少波はあったとしてもスケールはありますよ。それと欧州で活躍する日本人選手が本当に増えましたし、レベルとしては格段に上がっていて正しい方向に向かっているとは感じますね。初戦のドイツ戦に勝ったら、あっという間に熱気が出てくるのではないでしょうか」

――熱気をもたらすという意味でメディアが果たす役割もあるとは思います。

「我々ABEMAやコアファンが盛り上がるだけでは物足りないと言わざるを得ません。やっぱりほかのメディアが連日、ワールドカップの話題をトップで報道するような状況が望ましいと言えますね」

――本田圭佑選手が「ABEMA FIFAワールドカップ2022プロジェクト」のGMに就任しました。

「このプロジェクトをやるにあたって当然ながら社内から名前が挙がってきました。ご存知のとおり彼は多彩な活動をしていますし、プライベートな関係では友人でもあります。以前“何かあったら手伝います”と言われていたことを思い出して、お願いするとしたらこのタイミングじゃないか、と。快く引き受けていただきました」

――本田選手の発言は、何かとクローズアップされることが多いですよね。大会中もいろいろと取り上げられるのではないでしょうか。

「彼は自分でメディアを立ち上げて、そのなかでいろんなことを伝えていますが、今回のABEMAでもあんな感じで自由にやってもらえればありがたい。変に合わせてもわらなくていいかなって思っています」

【次ページ】 インターネットという感覚すらもはやなくなってきている

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