Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「まさか娘がフジテレビに…」永島昭浩が語る安藤優子に鍛えられたキャスター時代とW杯親子共演「コネ? 僕にはそんな力はない(笑)」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAkihiro Nagashima
posted2022/10/31 11:04
フジテレビアナウンサーとして活躍する娘・優美さんとの親子オフショット。テレビ番組やW杯中継などでの共演も話題となった
本人も振り返ったとおり、安藤の永島へのツッコみは容赦なかった。
鋭くツッコんで永島を追い込む安藤と、それにたじろぎ、噛みまくる永島は、いつしか名物コンビと言われるようになる。
「僕にとって安藤さんはヴィッセル神戸時代の(MFミカエル・)ラウドルップのような存在ですよ。次々と美味しいパスを放ってくれるんやから。ただね、ラウドルップのパスは優しかったけど、安藤さんのパスはキラーパスばかりでした(笑)」
永島も負けじとやり返すと、CM中に安藤が少々ご立腹に見えることもあったという。そんなとき、永島が木村に「今の、大丈夫でしたかね?」と尋ねると、木村は「永島くん、大丈夫やで」と返してくれた。
「木村さんは『永島くん、放送っていう字を理解してる? 送り放しと書くんやで。もう過ぎたことはいいねんで。問題があれば番組が解決してくれるから』と。それで気が楽になりました(笑)」
監督になりたいという気持ちとは裏腹に、永島がスポーツキャスターとしてのキャリアを積み上げていた14年の春、永島にとっては嬉しくも、困惑する出来事が起きる。
娘の優美さんが、アナウンサーとしてフジテレビに入社したのだ。
「コネなんて言われるけど、そんな力はない(笑)」
もともと優美さんは人前に立って話すのが苦手だったが、大学1年のころに観光親善大使を務めたことが自信となり、将来は喋る仕事に就きたいと考えるようになっていく。
娘の変化を知ったとき、「あちゃーと思った」と永島は苦笑する。
「そこに行くかと。『アナウンサーは素晴らしい仕事だよ』というようなことは言ったと思いますけど、僕から勧めたことは一度もないです。その後、関西のほうでアルバイトをしたことで(ミス関西学院に選ばれ、朝日放送の学生リポーターを経験)、思いがいっそう強くなったんじゃないですかね。ただ、思いと、現実に採用されるかどうかは別問題ですから。チャレンジして失敗する経験も人生には必要だと思っていたから、大いにチャレンジしてみればいいと」
その言葉を聞くと、永島もまさか合格するとは思っていなかったのだろう。だが、優美さんは見事にキー局のアナウンサーの座を射止めるのだ。しかも、よりによって父が最もお世話になっていたフジテレビに――。
「本人はフジテレビが第1志望だったようで。『めざましテレビ』が好きだったみたいですね。最終的にフジテレビも採用してくれて。コネなんて言われることもありましたけど、とんでもない。僕にそんな力、ないですから(笑)」