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「クボは戦える+鬼気迫るプレー」決定機逸もソシエダサポ“交代後の拍手”が示す高評価…久保建英vs古巣マジョルカを撮った
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/10/22 17:04
マジョルカ相手に得点を決めたかったところだが、連勝を飾るソシエダにあって久保建英は主力に定着している
その後もソシエダが攻撃の圧力を高め、マジョルカ陣内での展開が続いた。久保も中盤まで下りてボールに関わり、またサイドで1対1に臨む姿が撮影できた。しかし、分厚い守りを引く相手を崩しきることができず、徐々に激しい攻防が繰り広げられ始めた。
また守備面でも相手陣内でプレッシャーをかけるだけでなく、相手からボールを奪い切るシーンもあり、チームにとっては大きな助けとなっている。
その中で、25分あたりから終盤にかけて久保、メンデス、セルロートと決定機を作ったが、決め切ることができなかった。中でも久保が自陣からドリブルで持ち上がり、相手を引きつけメンデスにパスを出したシーンは決定的だったが、死守したマジョルカを褒めるべきか。
決めきれないソシエダ、久保は交代時に……
後半に向けて、両チームともにメンバー変更なく選手が姿を表す。ゲームの再開直前まで選手同士が話し合う姿が見られた。後半開始とともに一度止んでいた雨が降り始め、写真にも映り込み始めた。久保が相手GKに全力プレスをかけると、会場から歓声が湧き上がる。
引き続きソシエダがマジョルカのゴールに迫るものの、こじ開けられない状態が続く。すると57分、ゲバラのシュートがポストを叩いて跳ね返ったところから、一気にカウンターを受けてアマトにゴールを奪われてしまう。決定機を逃し続けると、少ないチャンスから相手に決められてしまうのは“サッカーあるある”か。
しかしこれは、VARによって競り合いの際にアマトにファールがあったとノーゴール判定。しかしかなり際どい判定であった。
試合再開後、セルロートからのパスを受けた久保が立て続けに2度同じような場面で絶好のチャンスを迎えている。1本目は枠を捉えることはできず、2本目は鋭いシュートもキーパーに弾かれてしまった。
そして75分に久保は、ピッチを後にした。
決定機を決め切ることはできなかったが――それ以上に鬼気迫るプレーへの評価を、サポーターからの惜しみない拍手が、そしてベンチで迎える仲間が、証明していた。
ソシエダは5連勝でマドリー、バルサに次ぐ3位
終盤、ソシエダはマジョルカの猛攻を受けている。
開始早々CKから得点を奪ったメリノは、守備時には相手ボールをはじき返し続け、攻守に渡っての活躍が目立った。またGKレミロの好セーブにも救われ、開始4分のゴールを守りきり勝ち点3を積み重ねた。
この勝利によってソシエダはリーグ5連勝とし、マドリー、バルサに次ぐCL圏内3位と順位を上げた。またELを含めると公式戦8連勝とクラブ史上初の快挙を達成している。