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「ブルックリンで家探しを始めます」渡邊雄太28歳、NBAネッツで始まる新たなニューヨーク物語…支えになった暁子夫人の言葉とは?
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2022/10/19 17:03
ブルックリン・ネッツで開幕ロースター入りを勝ち取り、新シーズンに臨む渡邊雄太(28歳)。日本時間20日朝にペリカンズとの開幕戦に臨む
「雄太(の貢献)を喜ばしく思っている。賢明で多才な選手だし、センスもある。どんなラインナップで起用してもフィットする。このチームの一員でいてくれていることにエキサイトしているよ」
17日の練習時にそう述べていたスティーブ・ナッシュHC、獲得を望んだ張本人であるとされるショーン・マークスGMが渡邊を高く買っているという話は頻繁に聞こえてきていた。そんな経緯もあったから、開幕ロースター入りはもう驚きではなかった。熱心なファンの間では渡邊のローテーション入りも期待され、少なくとも開幕直後はその可能性も高いはずである。
息つく暇もなく始まる“新しいバトル”
もっとも、こうして最初の壁を突破したからといって、安泰と考えられる状況ではないのも事実だ。ベテランミニマム契約でのロースター入りとなるが、依然としていつカットされても不思議はない立場。スーパースター軍団の中で爪痕を残し、ブルックリンでの新居探しも始めるに至ったが、息つく暇もなく今度は新シーズンのバトルが始まる。
開幕後、現在戦線離脱しているTJ・ウォーレン、ジョー・ハリス、セス・カリーといった選手たちが戻ってくるまでにどれだけの実績を積み重ねていけるかが1つの勝負。終わりのないサバイバルレースはまだまだ続くが、様々な修羅場を乗り越えて来た渡邊もそれは十分に理解している。
「チームは契約上、僕をいつでもカットできますが、僕はそれもプラスに捉えています。この契約でも僕を残してくれるということは、それだけチームが僕を必要としてくれているということ。要らないと思ったら切られるだけなんで、そこはわかり易くていい。まずとにかく3Pの練習を徹底的にやって、チームにやっぱり雄太を最後まで残さないといけないと思ってもらえるような選手にならないといけないなと思っています」